こんにちは。けあむすび編集部です。
今回は、障害福祉サービスとは?サービスの対象者や種類、受給者証、利用の流れについてを、学んでいきます。

障害福祉サービスとは、障がいのある方が地域で自立した生活を送るための重要な支援制度です。障害福祉サービスを利用することで、日常生活の支援や就労支援を受けながら、自立に向けた生活をサポートしてもらえます。
この記事では、障害福祉サービスの仕組みや対象者について詳しく説明し、サービスの種類や受給者証の申請手続き、サービスを利用する際の流れについて解説します。また、障害福祉サービスだけでは対応が難しい部分についても、介護保険外サービス(自費サービス)を上手に併用する方法を紹介し、障がいのある方の生活全体をどのようにサポートできるかを見ていきましょう。
- 障害福祉サービスとは(制度の概要)
- 障害福祉サービスと介護保険サービスの違い
- 障害福祉サービスの対象者
- 障害福祉サービスの種類一覧(介護給付・訓練等給付)
- 障害福祉サービス受給者証とは
- 障害福祉サービスの申請から利用までの流れ
- 障害福祉サービスで受けられる主な支援と利用範囲
- 介護保険外サービスとの併用
- 障害福祉サービスに関するよくある質問
- まとめ
障害福祉サービスとは(制度の概要)

障害福祉サービスは、障がいのある方が生活や就労の場面で困りごとを抱えたときに、必要な支援を受けられるサービスです。
障がいの状態や暮らしの状況に応じて選べるサービスが用意されており、自宅での生活を助ける介護的な支援から、就労や訓練に関する支援まで幅広くカバーしています。
まずは障害福祉サービスの基本的な役割や仕組みを知り、どのような支援が受けられるのかを理解しましょう。
障害福祉サービスとは?
障害福祉サービスとは、障害者総合支援法に基づき、身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む)、または難病のある方が、自立した日常生活や社会生活を送れるよう支援する公的な制度です。障がいの特性や生活状況に応じて、必要なサポートを受けることができます。
サービスは大きく分けて、日常生活を支える「介護給付」と、自立や社会参加に向けた力を育む「訓練等給付」の2つがあります。さらに内容ごとに見ると、自宅での生活を支える生活系サービス、施設での支援を受ける入所系サービス、就労や自立を目指す自立・就労系サービスなど、さまざまな種類が用意されています。利用者の費用負担は原則1割ですが、所得に応じて自己負担の上限額(月額)が設定されています。なお、生活保護世帯や市町村民税非課税世帯の場合は、自己負担が発生しない、または低額に抑えられる仕組みになっています。
障害福祉サービスと介護保険サービスの違い
障害福祉サービスと介護保険サービスは、どちらも支援や介護が必要な方を支える制度ですが、その対象者や目的、仕組みに大きな違いがあります。
最も大きな違いは、その制度の目的です。障害福祉サービスは、障害者総合支援法に基づき、障がいの特性に応じた支援を通して自立や社会参加を促すことを目的としています。年齢にかかわらず、身体障がい・知的障がい・精神障がい(発達障がいを含む)や難病のある方が対象です。一方、介護保険サービスは、介護保険法に基づく制度で、主に65歳以上の高齢者を対象としています。加齢などにより介護が必要になった方に対して、日常生活上の介護や支援を提供することを目的としています。
なお、65歳以上の方については、障害福祉サービスに相当するサービスが介護保険にある場合、介護保険サービスが優先されることが基本とされています。ただし、重度訪問介護や就労支援など、代替できない障害福祉サービスの固有の支援や、介護保険だけでは必要な支援が確保できない場合には、障害福祉サービスを利用できることもあります。どのサービスをどの制度で利用するかは、利用者の状況を踏まえて市区町村が個別に判断します。
障害福祉サービスと介護保険サービスの違い(比較表)
障害福祉サービスと介護保険サービスの主な違いを、以下の表にまとめました。
|
項目 |
障害福祉サービス |
介護保険サービス |
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基盤となる法律(根拠法) |
障害者総合支援法 |
介護保険法 |
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主な対象者 |
身体・知的・精神障がい者、難病患者(年齢制限ほぼなし) |
65歳以上(要介護・要支援認定者) 40〜64歳(特定疾病) |
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目的 |
自立した生活・社会参加の支援 |
日常生活上の介護・生活援助 |
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優先順位 |
65歳未満は優先 |
65歳以上は原則介護保険が優先 |
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窓口 |
市町村の障害福祉担当課など |
市町村の介護保険担当課、地域包括支援センターなど |
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利用者負担 |
原則1割(所得に応じた上限あり) |
原則1〜3割負担 |
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認定指標 |
障害支援区分1〜6 |
要支援1・2、要介護1〜5 |
障害福祉サービスと介護保険サービスは、対象者や目的、利用条件などに大きな違いがあります。障害福祉サービスは年齢に関係なく、障がいのある方の自立や社会参加を支援する制度であるのに対し、介護保険サービスは主に高齢者の日常生活の介護を目的としています。また、65歳以上になると原則として介護保険サービスが優先される点も重要なポイントです。自分やご家族の状況に応じて、どちらの制度が適用されるかを確認することが大切です。
なお、介護保険サービスについては「はじめての介護で困ったらどうしたらいい?制度と介護保険がわかる!」で詳しく紹介しています。
障害福祉サービスの対象者

ここでは、障害福祉サービスを利用できる方の条件や、支援の目安となる区分について解説します。
どのような方が対象となるのか、どのような基準で支援の内容が決まるのかを、順番に見ていきましょう。
対象となる障がいの種類
障害福祉サービスは、障がいのある方のうち「日常生活や社会生活において支援が必要と自治体に判断された方」が対象となります。対象となる障がいの種類は、身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がいのほか、国が定める難病のある方も含まれます。
利用できるサービスの内容や範囲は、障がいの種類だけで決まるものではありません。障がいの程度や日常生活での困りごと、生活環境などを総合的に考慮して判断されます。
また、どのサービスをどの程度利用できるかは、「障害支援区分」によって決められます。なお、障害福祉サービスは主に18歳以上の方が対象です。18歳未満の場合は、障害児福祉制度に基づく支援が提供されますが、サービスの種類によっては18歳未満でも利用できる場合があります。
障害支援区分とは
障害支援区分とは、障害福祉サービスを利用する際に必要となる「支援の必要度」を示す区分のことです。利用者一人ひとりの心身の状態や生活上の困りごとを基に判定されます。
障害支援区分は「区分1」から「区分6」までの6段階に分かれており、数字が大きいほど支援の必要度が高いと判断されます。調査の結果、区分に該当しない場合は「非該当」と判断されることもあります。この障害支援区分は、受けられるサービスの種類や利用できる量(支給量)を決める重要な基準です。判定は市区町村が行う認定調査や医師の意見書などを基に決定されます。また、障害支援区分は、原則として一定期間ごとに見直しが行われ、心身の状態の変化に応じて再認定されることがあります。
障害支援区分の有効期間
障害支援区分には有効期間が設定されており、原則として3年とされています。ただし、次のような場合には、3年より短い有効期間が設定されることがあります。
- 障害の程度が変動しやすいと判断された場合
- 施設入所から自宅生活へ移行するなど、生活環境に大きな変化がある場合
- 障害支援区分認定審査会により、有効期間の短縮が必要と判断された場合
認定結果が届いたら、障害支援区分の内容だけでなく、有効期間も必ず確認しておくことが大切です。また、有効期間終了後も障害福祉サービスを継続して利用したい場合は、再度、障害支援区分の認定(再認定)を受ける必要があります。
再認定の手続きの流れは、初回の認定時とほぼ同じです。なお、認定調査や審査には1〜2ヶ月程度かかることが一般的ですが、自治体によってはそれ以上かかる場合もあります。サービスを途切れさせないためにも、有効期限に余裕をもって申請手続きを行うことが重要です。
65歳以上の利用条件(介護保険との優先関係)
65歳以上の方が障害福祉サービスを利用する場合、社会保障制度における保険優先の原則に基づき、原則として介護保険サービスが優先して適用されます。そのため、内容や機能が重複する介護保険サービスがある場合、原則として介護保険の保険給付を優先して利用することになります。ただし、すべてのケースで一律に介護保険サービスが優先されるわけではありません。実際には、サービスの内容や本人の状況に応じて個別に判断されます。一方で、介護保険サービスだけでは市町村が適当と認める支給量や支援内容を確保できない場合には、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを併せて利用できることもあります。また、就労支援など障害福祉サービス固有の内容と認められるサービスについては、年齢にかかわらず、引き続き障害福祉サービスを利用することが可能です。
このように、65歳以上であっても利用できるサービスや支給内容は個別に異なるため、具体的な利用可否については、市区町村の窓口で確認することが大切です。
障害福祉サービスの種類一覧(介護給付・訓練等給付)

障害福祉サービスは、支援の内容に応じて「介護給付」と「訓練等給付」の2つに大きく分けられています。日常生活の介助や見守りなど、生活を支えることを目的とした支援は「介護給付」に位置づけられます。一方で、生活能力や就労能力の向上を目的とした訓練や支援は「訓練等給付」に位置づけられます。
ここでは、こうした制度上の区分を踏まえながら、主なサービスの種類をわかりやすく整理していきます。
介護給付
介護給付は、日常生活において介護や見守りが必要な方に対し、生活を直接支えることを目的とした支援です。主なサービスには、次のようなものがあります。
居宅介護
自宅で生活する障がいのある方に対し、食事・入浴・排せつなどの身体介護や、掃除・洗濯などの家事援助を行うサービスです。
重度訪問介護
重度の障がいがあり、常時介護を必要とする方を対象に、日常生活全般の介護や外出時の支援を包括的に行います。
同行援護
視覚障がいのある方が外出する際に、移動時の安全確保や情報提供などを行い、外出時の移動を支援するサービスです。
行動援護
知的障がいや精神障がいにより行動上の困難がある方に対し、外出時の危険回避や行動面のサポートを行います。
重度障害者等包括支援
重度の障がいがある方に対し、居宅介護や重度訪問介護など複数の支援を一体的・包括的に提供するサービスです。
短期入所(ショートステイ)
介護者の休息や緊急時などに、短期間施設へ入所し、入浴・排せつ・食事の介助などの生活上の支援を受けられます。
療養介護
医療的ケアが常時必要な重度障がいのある方を対象に、医療機関等での機能訓練、療養上の管理、介護、日常生活の世話を提供します。
生活介護
日中に施設へ通い、入浴・排せつ・食事の介護に加え、創作活動や生産活動などを通じて生活を支援するサービスです。
施設入所支援
施設に入所し、夜間や休日を含めて、食事・入浴・排せつなどの日常生活全般の介護や支援を受けるサービスです。
訓練等給付
訓練等給付は、生活能力や社会参加、就労に向けた力を高めることを目的とした支援です。主なサービスには、次のようなものがあります。
自立生活援助
一人暮らしをしている、またはこれから一人暮らしを始める障がいのある方に対し、生活上の困りごとについて定期的な助言や支援を行います。
共同生活援助(グループホーム)
障がいのある方が共同で生活しながら、食事や家事、生活相談などの支援を受けられる住まいのサービスです。
自立訓練(機能訓練)
身体機能の維持・回復を目的に、リハビリや運動などを通じて日常生活能力の向上を目指します。
自立訓練(生活訓練)
日常生活や社会生活に必要なスキルを身につけるため、生活習慣や対人関係などの訓練を行います。
就労移行支援
一般就労を目指す方に対し、職業訓練や就職活動の支援、職場定着に向けた準備を行うサービスです。
就労継続支援(A型)
雇用契約を結んだ上で、働く機会を提供しながら、就労に必要なスキルの向上を支援します。
就労継続支援(B型)
雇用契約を結ばず、体調や能力に応じたペースで働きながら、就労の機会を提供するサービスです。
就労定着支援
一般就労後の方を対象に、職場や生活面の相談対応を行い、長く働き続けられるよう支援します。
障害福祉サービス受給者証とは

障害福祉サービスを受けるには、「障害福祉サービス受給者証」が必要です。これは、障がいのある方が地域で自立した生活を送るために必要な支援を受けるための証明書で、市区町村から交付されます。
障害福祉サービス受給者証とは?申請方法と取得の流れ
障害福祉サービス受給者証とは、障害者総合支援法や児童福祉法に基づき、障害福祉サービスを利用するために市区町村から交付される証明書です。受給者証には、利用できるサービスの種類や支給量(利用できる日数や時間)、負担上限月額などが記載されており、これらの内容に基づいてサービスを利用します。そのため、居宅介護(ホームヘルプ)やグループホーム、就労移行支援などの障害福祉サービスを原則1割の自己負担で利用する際に必要となります。対象となるのは、身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む)、または難病のある方のうち、支援が必要と認められた方です。
受給者証を得るには、まずお住まいの市区町村の窓口に申請し、認定調査や審査を経て支給決定を受ける必要があります。なお、受給者証には有効期限が設けられています。継続してサービスを利用する場合は、期限が切れる前に更新手続きを行うことが大切です。
障害福祉サービス受給者証と障害者手帳の違い
障害福祉サービス受給者証と障害者手帳は似ているものと思われがちですが、実際には目的や発行機関が異なります。
まず、障害者手帳は、障がいのある方の自立や社会参加を促進することを目的として交付されるもので、政令指定都市や都道府県が発行します。一方で、障害福祉サービス受給者証は、障害福祉サービスを利用するための証明書で、市区町村が交付します。
障害福祉サービス受給者証と障害者手帳の大きな違いは、その役割にあります。受給者証は、障害福祉サービスを利用する権利があることを証明するものであるのに対し、障害者手帳は、障がいの種類や等級を証明するものです。
なお、障害者手帳を取得していない場合でも、状況によっては障害福祉サービス受給者証が交付されることがあります。詳しくは、お住まいの市区町村の担当窓口に相談してみましょう。
障害福祉サービス受給者証で利用できるサービスは?
受給者証で利用できる主なサービスには、さまざまな種類があります。支援の内容に応じて、大きく次のように分けられます。
訪問系サービス(介護給付)
訪問系サービスには、居宅介護(ホームヘルプ)や重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援があります。これらは、自宅での生活を支えるための支援です。
日中活動系サービス(介護給付)
日中活動系のサービスには、生活介護や療養介護、短期入所があります。日中の生活支援や身体介護を中心としたサービスです。
施設系サービス(介護給付)
施設系サービスには、施設入所支援があります。常時介護が必要な方が施設に入所し、生活全般の支援を受けることができます。
居住支援系サービス(訓練等給付)
居住支援系のサービスには、自立生活援助や共同生活援助(グループホーム)があります。障がいのある方が、地域で安心して生活できるよう、日常生活を支える住まいの支援です。
訓練・就労系サービス(訓練等給付)
訓練・就労系サービスには、自立訓練(機能訓練・生活訓練)や就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)、就労定着支援があります。働くための準備や就労の継続を支える支援です。
実際に利用できるサービスの種類や内容は、障害支援区分や支給決定の内容によって異なりますので、詳しくは市区町村の窓口で確認することが大切です。
障害福祉サービスの申請から利用までの流れ
障害福祉サービスを利用するために必要な受給者証は、いくつかの手続きを経て交付されます。申請から交付までには、市区町村にもよりますが、通常1ヶ月〜2ヶ月程度かかります。
申請から利用までの流れは、次のとおりです。
1.自治体の窓口へ相談
まずは、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口でサービス利用について相談し、申請の意志を伝えます。なお、相談前または相談と並行してサービス事業所を見学し、利用の意向を伝えておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。
2.受給者証の申請・書類提出
次に、申請書を記入して窓口へ提出します。申請は、利用を希望する本人のほか、家族や代理人が行うことも可能です。
主な必要書類は、申請書、医師の診断書または意見書、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳、マイナンバー確認書類、印鑑などです。必要書類は自治体によって異なる場合があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
3.認定調査(ヒアリング)
申請後、市区町村の職員による聞き取り調査(アセスメント)が行われます。この調査結果に基づき、審査会を経て市区町村がサービスの支給量や種類を決定します。
調査は、障害支援区分の認定調査項目(全80項目)に基づいて実施され、受給者証の発行や支給決定の判断材料となります。主な内容は以下のとおりです。
- 移動や動作等に関連する項目(12項目):歩行、衣類の着脱など
- 身の回りの世話や日常生活等に関連する項目(16項目):食事、入浴など
- 意思疎通等に関連する項目(6項目):視力、聴力など
- 行動障害に関連する項目(34項目):物忘れ、こだわりなど
- 特別な医療に関連する項目(12項目):点滴の管理、透析など
4.サービス等利用計画案の作成と提出
サービス等利用計画案を作成し、市区町村へ提出します。
サービス等利用計画案の作成方法は、以下のいずれかです。
- 指定特定相談支援事業者に依頼する
- 利用者本人や家族が作成する(セルフプラン)
指定特定相談支援事業者に依頼する場合は、専門的な視点で計画を作成してもらえるため、負担を軽減できるほか、支給決定後の計画見直し(モニタリング)もスムーズに進めることができます。
5.暫定支給の決定(ない場合もあり)
場合によっては、暫定支給が決定されることがあります。これは最長2ヶ月間、対象となるサービスを実際に利用しながら適性を確認する仕組みです。暫定支給期間中は、そのサービスが自分に合っているかを確認したり、支援内容の調整が行われたりします。その結果を踏まえて、本支給の内容が決定されます。なお、すべてのサービスで実施されるわけではなく、サービスの種類や状況によっては行われない場合もあります。
6.審査・受給者証の交付
審査を経て支給が決定すると、利用できるサービスの内容が通知され、受給者証が交付されます。受給者証には、利用できる日数やサービスの種類、利用者負担上限額などが記載されていますので、内容をよく確認しましょう。なお、申請から支給決定までの期間は、市区町村によって異なりますが、一般的には約1ヶ月〜2ヶ月程度かかります。
7.事業所と契約・サービス利用開始
受給者証が手元に届いたら、利用する事業所に提示し、契約を結んでサービスの利用を開始します。
また、受給者証には有効期限(1~3年程度)が設定されています。支給決定期間終了後もサービスを継続して利用したい場合は、更新手続きが必要です。なお、申請から決定まで一定期間を要する場合もあるため、サービスが途切れないよう、有効期限に余裕をもって申請手続きを行うことが大切です。
障害福祉サービスで受けられる主な支援と利用範囲
障害福祉サービスでは、日常生活や社会参加を支えるさまざまな支援を受けることができます。ただし、すべての支援が対象となるわけではなく、サービスの種類や利用者の状況、市区町村の判断によって利用できる範囲は異なります。
ここでは、一般的に対応できる支援と対象外となる場合がある支援について見ていきましょう。
障害福祉サービスで対応できる主な支援
障害福祉サービスで対応できる主な支援には以下のようなものがあります。これらは、利用者が地域で自立した生活を送るために必要と認められた範囲で提供されます。
- 食事、入浴、排せつなどの身体介助
- 掃除、洗濯、調理などの家事援助
- 通院や役所への手続き、買い物など外出時の移動支援
- 服薬に関する支援(医師・看護師・薬剤師などによる医療的管理や、ヘルパーなどによる服薬介助)
- 起床、食事、就寝などの生活リズムの見守り
- ビジネスマナーやパソコン操作など就労に向けた訓練や、履歴書の添削や職場体験などの就職活動支援
障害福祉サービスでは原則対象外とされる支援
障害福祉サービスではすべての生活支援が対象になるわけではありません。生活の自立に直接関係ないもの、日常の家事の範囲を超えるもの、家族が行うべきものは原則として対象外とされています。
対象外となる場合がある支援には以下のようなものがあります。
- 旅行や観光などのレジャー目的の外出支援
- 本人以外の家族のための洗濯、調理、買い物、部屋の掃除
- 大掃除、窓の拭き掃除、庭の草むしり、家具の移動など日常の範囲を超える家事
- 毎日の通勤・通学や趣味の習い事への定期的な通いの支援
ただし、利用者の障がいの状況や生活上の必要性によっては、例外的に認められるケースもあります。利用できるサービスの内容や範囲は、市区町村の判断や支給決定の内容によって異なります。詳しくは、お住まいの自治体の窓口や相談支援事業所へご確認ください。
介護保険外サービスとの併用
障害福祉サービスでは、すべての生活支援が対象となるわけではなく、生活の自立に直接関係しないものや、日常の家事の範囲を超える支援などは、原則として対象外とされています。また、利用できるサービスの内容や支給量は、市区町村が利用者の状況に応じて個別に判断し、支給決定を行います。そのため、日常生活に必要な支援は一定の範囲で提供されるものの、実際の生活の中では、その支給量や対象範囲だけでは対応しきれない場面が生じることもあります。
たとえば、短時間だけ外出の付き添いをお願いしたいときや、ちょっとした買い物や用事のサポートが必要になるときなど「少しだけ手を借りたい」と感じる場面です。このような場合には、介護保険外サービス(自費サービス)を併用するという選択肢があります。障害福祉サービスだけでは補いきれない部分を柔軟に支援できるため、生活全体のサポートをより充実させることにつながります。
制度内のサービスを基本としながら、必要に応じて自費サービスを組み合わせることで、より安心して日常生活を送ることができるでしょう。
自費サービスを利用するメリット
制度給付には1回あたりの時間や、月単位での支給量の目安が設けられています。また、サービスの種類によっては、利用日数や回数に一定の上限が設けられている場合もあります。そのため、必要な支援があっても、制度の範囲内だけでは十分に対応できない場合があります。
そこで、介護保険外サービス(自費サービス)を活用すれば、生活上必要なサポートを必要なときに受けることができ、より柔軟な対応が可能になります。
制度給付ではカバーできない生活課題を補える
制度給付では対応が難しい細かい家事や外出の付き添い、趣味や余暇活動の付き添いなども、介護保険外サービス(自費サービス)で補うことができます。たとえば、急な買い物や通院に同行してほしい場合や、週末に趣味の活動を支援してほしいといったニーズにも対応が可能です。
生活の質の向上と家族負担の軽減
介護保険外サービス(自費サービス)を上手に活用することで、本人はより自立的で豊かな生活を送りやすくなります。同時に、家族の介助や付き添いの負担が軽減され、本人や家族の精神的・身体的な負担の軽減にもつながります。
このように、介護保険外サービス(自費サービス)を柔軟に併用することで、生活全体のサポートをより充実させることが可能です。
以下のリンク先の動画では、自費サービスを活用しながら社会参加を実現している事例を紹介しています。障がいがあっても働きたいと考えている方は、ぜひあわせてご覧ください。
「脳性まひプログラマーの挑戦:制度を超えた新しい就労の形、自費介護を活用して社会参加」
また、実際に自費サービスを活用されている方の体験談については、以下の記事も参考になります。実際にどのような場面で自費サービスを利用しているのかを具体的に知りたい方は、あわせてご覧ください。
障害福祉サービスに関するよくある質問
障害福祉サービスの利用にあたっては、手続きや条件などについて疑問を感じる方も多いでしょう。ここでは、よくある質問とその回答をわかりやすく解説します。
Q.受給者証がないと障害福祉サービスは利用できませんか?
A.障害福祉サービスを利用するには、原則として障害福祉サービス受給者証が必要です。受給者証がない場合、制度上は全額自己負担(10割負担)で利用するという方法もありますが、実際には事業所が受け入れないケースも少なくありません。また、サービス利用計画が作成されないため、支援内容が個別に調整されず、自分に合ったサポートを受けにくくなる可能性があります。
なお、自治体の判断により、後から受給者証が交付された場合に償還払い(払い戻し)の対象となることもありますが、すべてのケースで認められるわけではありません。
そのため、サービスの利用を希望する場合は、まず市区町村の窓口に相談し、申請手続きを行うことが大切です。認定調査や審査を経て受給者証が交付されれば、原則1割負担で適切な支援を受けることができます。
Q.引っ越ししてもそのままサービスを利用できますか?
A.引っ越し後も障害福祉サービスを利用することは可能です。ただし、異なる市区町村へ転居する場合は、転居先であらためて受給者証の申請手続きが必要になります。
また、サービス内容や支給量については転居先の市区町村が判断するため、あらためて支給決定を受ける必要があります。そのため、現在利用している内容と同じ条件になるとは限りません。
なお、引っ越し前の市区町村で交付された障害支援区分の認定結果に関する通知書や証明書は、転居先での審査の際に参考資料となります。手続きがスムーズに進むよう、事前に書類を保管し、転居先の窓口に相談しておくと安心です。
Q.発達障がい者は障害福祉サービスの利用対象になりますか?
A.はい、発達障がいのある方は障害福祉サービスの利用対象となります。
2010年(平成22年)の障害者自立支援法改正により、発達障がいは精神障がいのひとつとして位置づけられることが明確化されました。現在は、2013年(平成25年)に施行された障害者総合支援法に基づき、知的障がいの有無にかかわらず、発達障がいがある方も必要な支援が認められれば福祉サービスを利用することができます。
まとめ
障害福祉サービスは、障がいのある方が地域で自立した生活を送るために欠かせない支援制度です。対象者となる障がいの種類や障害支援区分に基づき、生活状況に応じたサポートが提供されます。
サービスの利用には障害福祉サービス受給者証が必要で、原則1割の自己負担で必要な支援を受けることが可能。また、日常生活や就労を支える介護給付や訓練等給付など、支援の内容は非常に多岐にわたります。
しかし、支給量には一定の制限があるため、日常生活の中で不足を感じる場面が生じることもあるでしょう。たとえば、趣味や余暇活動のサポートや、支給量の範囲を超える外出時の付き添い(院内での付き添いを含む)などは、障害福祉サービスだけでは対応が難しい場合もあります。こうした「ちょっとした隙間」を埋める手段として、介護保険外の自費サービスは有効な選択肢のひとつです。自費サービスを併用することで、急な依頼や柔軟な対応が可能になり、生活全体の安心感につながります。障害福祉サービス単独でも基本的な支援は受けられますが、生活の中で発生する予期しないニーズや細かなサポートを補うために、自費サービスを活用してみてはいかがでしょうか。
クラウドケアが提供する自費サービスでは、こうした「足りない部分」を補完し、制度では対応しきれない時間帯や内容にも柔軟に対応することができます。制度の範囲内でも利用できる支援はありますが、自費サービスを活用することで、時間や内容の面でより柔軟にサポートを受けることができるでしょう。
具体的には、以下のようなサービスがあります。
- 障がい者の方の通院・外出の付き添い(制度では対象外となる場合や支給量を超える場合、柔軟な時間対応など)
- 障がい者の方の生活支援や家事支援(短時間の利用や細かなニーズへの対応など)
- 障がい者の方の身体介助(入浴介助・食事介助・排せつ介助など必要なタイミングに応じた支援)
クラウドケアでは、障がいにより活動が制限され、生活のしにくさを感じている方や、その支援にお困りのご家族様に対して、介護の専門資格を持つスタッフが身体面・精神面の両面から寄り添い、サポートします。
また、クラウドケアの自費サービスは、すべて同じ料金(時間料金のみ)でお選びいただけるのが特徴です。障害福祉サービスとクラウドケアの自費サービスを併用することで、生活全体をより充実させ、本人やご家族のニーズに応じたきめ細やかな支援が実現できるでしょう。
障害福祉サービス単体では対応が難しい部分を柔軟にサポートする方法として、クラウドケアのサービスを活用してみてはいかがでしょうか。「どんな支援が頼めるか知りたい」「一度相談してみたい」という方は、メールや電話でお気軽にご相談ください。