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演劇の世界から、介護の道へ。「ひとの手のぬくもり」が、世界をつなげる。【介護保険外の自費サービス ヘルパーインタビュー#8】

こんにちは、けあむすび編集部です。
今回は、介護保険外サービス「Crowd Care(クラウドケア)」で、ヘルパーとして活躍をする寺田さんにインタビューを行いました。
もともと劇団に所属し、演劇の世界で活躍されていた寺田さん。
現在は介護の道で、多くの利用者さんに寄り添っています。
人と人との触れ合いをなにより大切にする寺田さんに、クラウドケアでヘルパーに応募したきっかけや、働く上で大切にしている想い、未来へのビジョンについて、じっくりお話を伺いました。

壁際に立つ女性介護ヘルパー

演劇の世界から、介護の道へ。「ひとの手のぬくもり」が、世界をつなげる。
【介護保険外の自費サービス ヘルパーインタビュー#8】

演劇の世界から、介護の道へ

―――はじめに、寺田さんのキャリアについて教えてください。

 

私は、もともと役者で、演劇をやっていました。劇団に入り、舞台やミュージカルで演技活動をしていた時期が長かったです。
何度もお客さんとの「生の交流」に感動し、この「一度限り」のために全力を出す大切さを心に刻みました。
ただ、役者だけで生計を立てることが難しく、飲食店でも働いていました。
人と関わることが大好きなので、接客業の世界にいましたね。
ただ、年月を重ねるうちに、将来に不安を感じるようになっていったんです。
そんなとき、「なにか、資格を取ったら?」という知人の勧めがきっかけで、思い切って介護職員初任者研修を受講しました。そこから、私の介護の道が始まりました。

 

―――クラウドケアはどのように知ったのでしょうか。

 

介護職員初任者研修を受講したのち、まずはデイサービスで勤務していました。
それから、介護保険内ですが訪問介護の仕事もしていました。
前職を退職し、次の仕事を探していたときに、介護保険外のマッチングサービスがあるということを知りました。そこで、クラウドケアはたまたま知った、という感じです。
それからすぐに登録をしました。説明もわかりやすく、オフィスも素敵で、面接がとても楽しくて。
訪問介護の仕事は既にしていましたので、新しいお宅に伺うことへの抵抗もなく、すぐに「やってみよう」と思いました。

椅子に座り、インタビューを受ける女性介護ヘルパー

訪問介護の仕事は既にしていましたので、新しいお宅に伺うことへの抵抗もなく、
すぐに「やってみよう」と思ったと語る寺田さん

―――実際に働いてみてどうでしたか?

 

働く側にとっても、利用する側にとっても、クラウドケアのサービスはとても柔軟だと感じます。
利用者さんが「顔なじみのヘルパーさん」で安心できるよう、定期的に同じ方の支援に入れるのもいい点ですし、ヘルパーがスキマ時間に合わせて働けるのも魅力です。
私自身、現在は介護事業所に所属し、保険内の訪問介護の仕事をしながら、空いている時間を活用して、クラウドケアでも働いています。

 

️介護は即興劇に似ている?――役者時代の経験から

 

―――寺田さんは役者をされていたとのことですが、その経験は介護に活きていたりしますか

 

私自身、すごく活きていると思います。
実は、舞台では、観客の方の反応を見ながら、即興で間を変えることもあるんです。だから、同じ公演は二度とありません。
介護の現場も同じで、利用者さんは毎日同じ状態ではありません。
その日の表情や反応を見て、臨機応変に対応する必要があります。
私にとっては、即興劇のように、「今この瞬間」を一緒に生きる感覚です。
長く演劇にたずさわっていて、ここは特に磨かれた自分のスキルだと思います。

 

―――寺田さんが介護の仕事をする上で、大切にされていることを教えてください。

 

「ひとの手」を使うこと。手のちからって、すごいと思うんです。

例えば、背中をさすったり、「大丈夫ですよ」と、そっと触れる。それだけで相手に安心感を与えることができます。
どんなに時代が進んでも、AIが進化したとしても、この「ひとの手のぬくもり」は、機械には絶対に代えられないと思っています。
認知症の方や、言葉が通じにくい方でも、触れ合うことで心が通じる瞬間があるんです。

窓際に立ち、微笑む女性介護ヘルパー

言葉やマニュアル以上に、相手の心を安心させるちからの
コミュニケーションだと思っています。

️未来への夢。地域をつなぐコミュニティ作りを目指して

 

―――ひとの手。すばらしいパワーですね。これから、寺田さんがチャレンジしていきたいことがあれば、教えてください。

 

できれば将来的に、自分で介護事業所を立ち上げたいと考えています。
今の介護現場にいると、どうしても組織の中で「向上心」や「チームワーク」を持ち続けるのが難しいと感じることもあって……。
だったら、自分が中心になって、同じ方向を向ける仲間たちと一緒に働く場を作りたいんです。

それともうひとつ、高齢者と若いお母さんや子どもたちが自然に集まれる「地域の居場所」を作りたいです。
私がリサーチした限り、高齢者が自然に集まっているのは、病院やフィットネスくらい。
もっと気軽に立ち寄れて、外国人の方も巻き込んだり、地域の食材を使った料理教室を開いたり……そんな交流の場があったらすてきだなって思います。
年齢や立場を越えて、誰もが自然に関われる。そんな場所を作るのが、私の夢です。
高齢化が進むこの日本で、たがいに支え合い、笑顔が生まれる場を。
まだ違う職場でも歩んでいるけれど、いつか実現させたい夢です。

壁際で微笑む女性介護ヘルパー

年齢や立場を越えて、誰もが自然に関われる。
そんな場所を作るのが、私の夢と語る寺田さん

―――ありがとうございました。最後に、メッセージをお願いします。

 

介護は、どうしても「自分が頑張らないと」と思いがちですが、無理をせず、周りに頼ることが大切だと思います。
ヘルパーを使うこと、クラウドケアのようなサービスを活用することに、もっと気軽になっていいと思っています。
そしてこれからヘルパーを目指す方へ。介護は本当に人手不足です。
介護保険外サービスだからこそ柔軟に対応できる部分もあるので、少しでも興味があったら、一歩踏み出してほしいです。
笑顔を忘れずに、利用者さんの「その日その時」を大切にしてあげてください。

 

「ひとの手」を使って、ひとりひとりに寄り添う

 

寺田さんのお話しを聞いていて、ひとの手の持つパワーの偉大さを改めて感じました。
相手を思いやり、ぬくもりを伝える力は、どんなテクノロジーにも代えられません。
ひとりひとりに寄り添う姿勢と、新しい未来を描く前向きな想いに、心から勇気をもらいました。
これからの寺田さんのご活躍を応援いたします。
(聞き手:けあむすび編集部 亀割)

▼前回のヘルパーインタビューはコチラ▼