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親の介護にどう備える?何から始める?相談先・介護サービス活用までわかりやすく解説

こんにちは。けあむすび編集部です。

今回は、親の介護にどう備える?何から始める?相談先・介護サービス活用までわかりやすく解説をしていきます。

介護士と車椅子に乗る高齢者の手元

親の介護にどう備える?何から始める?相談先・介護サービス活用までわかりやすく解説

親の介護は、ある日突然やってきます。いざそのときを迎えると「何から手をつければいいのかわからない」、「仕事や今の生活を維持できるのか」など、漠然とした不安に飲み込まれてしまう方は少なくありません。心の準備がないまま介護に直面し、パニックになってしまう方もいるでしょう。また、大切なキャリアを諦める「介護離職」を余儀なくされるケースも後を絶ちません。

この記事では、親の小さなサインに気付くためのチェックリストから、困ったときの相談先、外部サービスの賢い頼り方まで詳しく解説。介護保険制度だけでカバーできない部分は、介護保険外サービス(自費サービス)を組み合わせることで、家族の負担軽減につながります。自分自身の人生を守りながら、無理なく親を支え続けるためのヒントを見つけていきましょう。

親の介護にどう備える?まず知っておきたい基本

介護が急に必要になる主な要因には、転倒・骨折、脳卒中、認知症などが挙げられます。これらは、予期せぬタイミングで起こるため、いざというときに慌てないよう、事前に正しい知識を持っておくことが重要です。

備えとして大切なのは、次の3ステップです。

  • 現状把握:親の状態を客観的にチェックする
  • 情報収集:相談窓口や要介護認定などのサービスを知る
  • 体制づくり:家族で方針を共有し、協力体制を整える

この流れを理解しておくことで、いざというときに迷わず、適切な一歩を踏み出すことができるでしょう。

まずは、「介護が必要かも?」と感じたときに、チェックすべき項目について順番にご紹介します。

親の介護が必要かも?気付くためのチェックリスト

談笑する二世帯家族

親の変化に気付くためのチェックリスト

「介護」という言葉を聞くと、ベッドに寝たきりの状態を想像するかもしれません。しかし、実際の介護はもっと手前のちょっとした違和感から始まります。親と離れて暮らしている場合や、たまにしか顔を合わせない場合は変化を見逃してしまうこともあるため、帰省時や電話の際にチェックしてみましょう。

身体や生活環境のサイン

「まだ元気だから大丈夫」という親御さんの言葉は、子どもを心配させたくないという優しさや、自分自身の衰えを認めたくないという気持ちから発せられます。しかし、実は日常生活の端々に、SOSのサインが隠れていることがあります。これらは身体機能の低下や、意欲の減退を顕著に表すものですが、たまに会うだけでは意外と見落としがちです。以下の項目に沿って確認してみてくださいね。

食生活の乱れ

記憶力や判断力が低下すると、献立を考えて買い物に行き、調理するという高度な作業が困難になります。また、これまでできていた規則正しい食事ができなくなったり、食欲が低下したりすることも少なくありません。実家を訪れたら、まずは冷蔵庫を開けてみてください。冷蔵庫の中に、期限切れの食品が放置されていたり、同じ惣菜のパックがいくつも重なっていたりしませんか?また、ごみ箱の中も要チェック。菓子パンやカップ麺のゴミばかりが目立つといった場合も調理意欲が減退している可能性があります。これらは、低栄養や脱水症状につながり、結果として筋力低下をはじめとするフレイル(虚弱状態)の原因となることもあります。

清潔感の低下

お風呂の準備や着替えは「できて当たり前」と思われがちですが、実は体力と気力を使う作業です。以前に比べてお風呂に入る回数が減っている、同じ服をずっと着ている、髪がボサボサ、爪が伸び切っているといった変化は、セルフケア能力の低下を示しています。
また、トイレの失敗が増えてくると、部屋に独特のにおいがこもっている場合もあります。体臭や服の汚れに本人が無頓着になっている場合、認知機能低下のサインであることも多いため、注意が必要です。

管理能力の低下

ポストに郵便物が溜まっている、ゴミ出しの日を間違えて近所から指摘される、以前は綺麗好きだったのに部屋が散らかってきたといった変化はありませんか?
身体機能の衰えにより身体がスムーズに動かなくなったり、認知機能の低下により判断力が低下したりすると、掃除や片付けが大きな負担になります。また、床に物が散乱していると、転倒や事故の原因にもなります。家庭内の転倒事故による骨折は、介護生活へ突入する引き金となることもあるため注意しましょう。

認知機能・感情のサイン

年相応の物忘れと、支援が必要な兆候を見極めるのは難しいもの。しかし、感情のコントロールや日常の判断に変化が現れたら、早めの対応が必要です。「このくらいの物忘れは誰にでもある」と目をつぶるのではなく、気付いた小さな違和感を見過ごさないようにしましょう。

何度も同じ話をする

数年前のことはよく覚えているのに、さっき話したばかりの内容を忘れてしまう。
これは短期記憶の低下によるもので、認知症の初期症状として現れることがあります。「今日は何日だっけ?」「あれ、誰が来るんだっけ?」と同じ質問を数分おきに繰り返すなどの症状が見られたら、否定したり怒ったりせず、メモに残すなどして頻度を確認しましょう。

性格や身だしなみの変化

脳の前頭葉の機能が低下すると感情のブレーキが効きにくくなります。
温厚だった親が些細なことで激昂する、あるいは趣味にも友人にも一切関心を示さず、一日中ぼーっとテレビを眺めている。また、真夏にセーターを着る、冠婚葬祭に普段着で行こうとするなど、季節感や場にそぐわない格好をすることも判断力低下の重要な指標です。

判断力の低下

認知機能が低下すると、金銭管理などの判断ができなくなることがあります。お金に関するトラブルは、発覚したときに被害が大きくなっていることが多い項目のひとつです。
振込用紙の期限が切れている、家の中に見たことのない商品があるなどが気になった場合は注意しましょう。
本人は「自分で決めて買った」と主張しますが、実は仕組みが理解できないまま契約しているケースも少なくありません。

認知症の初期症状のサインや正しい関わり方については、こちらの記事でもご紹介しています。ご参考にしてみてください。

親の介護が必要かも?と思ったら確認すべきこと

「もしかして?」という予感があったなら、パニックになる前に、まずは以下の3つの柱を家族で少しずつ固めていきましょう。

親の意思

親の介護を考えるとき、大切にしたいのは本人の意向です。
最期まで自宅で過ごしたいのか、動けなくなったら施設に入りたいのか。元気なうちに、希望する暮らし方を聞いておきましょう。いきなり介護について聞くと、不機嫌になったり濁されたりするケースもありますが、「将来の安心のために一緒に考えたい」というスタンスで話すのがコツです。

家族の役割分担

兄弟姉妹や親族がいる場合、「自分は手続きを担当する」「自分は週末に顔を出す」「自分は月々いくら仕送りする」といった具合に、得意分野で分担することを話し合っておきましょう。1人の主介護者に負担が集中すると、共倒れや介護うつのリスクが高まります。
早めに家族全体がチームとしての意識を持つことが、孤独な介護を防止します。
在宅での毎日の介護疲れや、ストレスによる介護うつ・悩み対策については、こちらの記事も参考にしてみてください。

お金と場所のシミュレーション

介護にはお金がかかります。親の年金額、貯蓄額を把握し、月々いくらまでなら介護費に充てられるかを確認しましょう。
それによって、在宅介護を続けるためのリフォーム費用や、将来的な施設入居の選択肢(有料老人ホーム、グループホームなど)が絞り込まれてきます。また、住む場所の検討も大切です。介護が必要になったら自分の近くに呼び寄せるのか、今の家で訪問介護を受けるのか。本人や家族と相談しながら、今後の方針を決定しましょう。

親の介護はどれくらい続く?

不安な表情で考え込む高齢女性

親の介護期間の平均はどれくらい?

介護は「終わりが見えない」と言われることがあります。実際にどの程度の期間を見込んでおくべきなのでしょうか。

2024年に行われた生命保険文化センターの調査によると、介護期間の平均は4年7カ月という結果が出ています。内訳を見ると、「4年〜10年未満」が最も多く、さらに「10年以上」に及ぶケースも3割弱存在します。つまり、介護は5年、10年といったスパンで続く長期戦になる可能性が高いのです。

これだけの長期間を家族の力だけで乗り切るのは現実的ではありません。心身ともに疲弊し、仕事や自分の人生を犠牲にしてしまう事態を防ぐためにも、早い段階から公的機関やプロの手を借りることが不可欠です。

出典:(公財)生命保険文化センター「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査」P.176

親の介護はどこに相談すればいい?主な相談先

親の介護を考えるにあたって、何から手をつければいいかわからないとき、まず訪ねるべき場所を整理します。

地域包括支援センター(通称:包括)

高齢者のための総合相談窓口です。社会福祉士、保健師、ケアマネジャーといった専門家が配置されており、無料で相談に乗ってくれます。介護保険の申請代行だけでなく、近隣の病院情報や地域の見守りサービスなど、多角的なアドバイスをもらえる点がメリット。
介護認定を受けていない段階、あるいは「ちょっと心配」という程度の時期から利用可能です。

市町村の介護保険窓口

役所の「高齢者福祉課」や「介護保険課」などでも、制度の仕組みや申請方法について説明を受けることができます。

病院の相談室(地域医療連携室)

親が既に入院している場合や通院している場合は、病院にいるソーシャルワーカーに相談しましょう。退院後の生活や転院先、利用できる制度について詳しく教えてくれます。

要介護認定の流れ

介護サービスを1割〜3割の自己負担で利用するためには、要介護認定を受ける必要があります。

1.申請

住民票がある市区町村の窓口で申請します。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に代行してもらうことも可能です。

2.訪問調査

市区町村の調査員が自宅を訪れ、本人の心身の状態を確認します。

訪問調査の注意点:親御さんは、調査員が来るといつもより張り切って、できないこともできると言ってしまう傾向があります。家族は横から口を出さず、後でこっそり、あるいは別室で「本当は夜中に何度も起きて困っている」「昨日は着替えができなかった」など、普段通りの困りごとを正直に伝えてください。

3.主治医の意見書

市区町村から主治医へ、心身の状況に関する意見書を依頼します。しばらく受診していない場合は、早めに診察を受けておく必要があります。

4.判定・通知

介護認定審査会を経て、非該当(自立)、要支援1〜2、要介護1〜5のいずれかが決定されます。

※申請から結果が出るまでには、通常1〜2カ月程度かかります。切羽詰まってからの申請では、思ったより時間がかかってしまうこともあるため、早めの相談・申請をおすすめします。

要介護認定を受けるための介護保険サービスや要介護認定の申請方法や、はじめての介護で困ったときの介護保険制度についても参考にしてみてください。
また、以下けあむすびの記事もご参考にしてください。

利用できる介護サービスの種類

要介護認定を受けると、担当のケアマネジャーが決定し、本人の状態や家族の希望に合わせた「ケアプラン(介護サービス計画)」を作成します。ここでは、在宅介護を支える中心となる3つの公的サービスを紹介します。

訪問介護(ホームヘルプ)

ホームヘルパーが自宅を訪問し、日常生活をサポートするサービスです。

身体介護:入浴、排せつ、食事、着替え、体位変換などの直接的な介助

生活援助:調理、洗濯、掃除、買い物など、家事全般のサポート

※介護保険内の訪問介護で利用できるのは「本人に関わること」に限定されており、同居家族がいる場合の家事や、来客対応、庭の手入れなどは原則として対象外となる点に注意が必要です。

通所介護(デイサービス)

日帰りで施設に通い、他の利用者と共に過ごすサービスです。
食事や入浴の提供、機能訓練(リハビリ)、レクリエーションなどを行います。閉じこもりによる心身の機能低下を防ぎ、社会的な交流を促したり、「日中、家族が仕事に行ける」「介護から離れて一息つける」など家族の介護負担を軽減したりする大きな助けになります。

短期入所(ショートステイ)

施設に数日から1週間程度の短期宿泊をして、施設での食事、入浴、24時間の見守りなどのケアを受けるサービスです。
家族が冠婚葬祭や出張で家を空けるとき、あるいは介護者が体調を崩したり、介護疲れが溜まったりした際にも利用できます。ただし、特に年末年始や連休などは申し込みが集中することがあり、早めの予約が必要です。はじめての介護では、介護保険の内容や、どんな制度が使えるのか分かりにくく、不安を感じることがほとんどです。はじめての介護で知りたい、制度や介護保険についてはこちらの記事をご参考にしてください。

家族による介護が行き詰まる3つの理由

胸に手を当てる女性

家族による介護が行き詰まる理由とは?

親を思う気持ちが強いほど、「自分が頑張って支えなくては」と考えてしまいがちです。しかし、家族だけで介護を完結させようとすると、多くの場合、以下の3つの壁に直面し、行き詰まってしまいます。

役割の変化への戸惑い

これまでは自分を守り育ててくれた存在だった親ですが、今度は「自分がケアし、守る存在」になる。この急激な役割の逆転は、心理的に大きなストレスを与えます。弱っていく親の姿を直視することの辛さ、そして「なぜ昔のようにできないの?」という苛立ちが混ざり合い、優しくなれない自分に自己嫌悪を感じるケースも見受けられます。

正解が見えない不安

特に認知症が伴う場合、同じことを何度も聞かれたり、不可解な行動(徘徊や妄想など)が現れたりします。これに対し、どう接するのが正しいのかわからず、正面から否定してしまったり、怒鳴ってしまったりすることで、さらに状況が悪化するという悪循環に陥ってしまうことがあります。

週末の介護・遠距離介護の限界

離れて暮らしているからこそ、会ったときの親の変化に激しいショックを受け、「もっと自分が何とかしてあげなければ」と無理を重ねてしまうのもよくあるケースです。
平日は仕事に追われ、週末は介護のために実家へ往復する生活が続くと、自身の休息時間はゼロ。「離れている間も親に何かあったらどうしよう」という絶え間ない不安を感じている介護者も少なくありません。

介護サービスをうまく活用するポイント

ヘルパーと笑顔で話す高齢者

介護サービスをうまく活用するポイント

介護を長く、健康的に続ける秘訣は、プロに任せられる部分は迷わず任せることです。「親を他人に任せるのは申し訳ない」という罪悪感を持つ必要はありません。
むしろ、専門的な介助や適切な距離感を保つプロの手が入ることで、親子の時間が「介護の時間」から「穏やかな家族の時間」に戻ることも多いのです。

介護保険外サービス(自費)という選択肢

ここで知っておいていただきたいのが、「介護保険外サービス(自費サービス)」の存在です。公的な介護保険サービスは大変心強いものですが、利用できる内容や時間、対象者には厳密なルールがあります。

一方、保険外サービスは、対応できるサービスが幅広く、本人と家族の両方の困りごとに寄り添い、生活の質(QOL)を向上させる大きな役割を担います。

柔軟な対応

介護保険では、同居家族がいる場合の家事援助は原則として受けられません。しかし、保険外サービスであれば以下のような柔軟な対応が可能です。

家事全般:大掃除、窓拭き、庭の手入れ、ペットのお世話、来客の対応。

生活への寄り添い:一緒におやつを作ったり、昔のアルバムを見ながら話し相手になったり、趣味の活動(囲碁や手芸など)の手伝いをしたり。
こうした関わりは、高齢者の孤独感を解消し、認知症の進行抑制や意欲の向上につながる可能性があります。

長時間の付き添い・外出支援

介護保険の訪問介護では、単なる移動の付き添いや、娯楽のための外出支援は対象外になることがほとんどですが、保険外サービスなら、プロの介助者がマンツーマンで長時間寄り添います。

特別な外出:冠婚葬祭への参列、お墓参り、趣味の観劇、百貨店への買い物など。

通院のサポート:病院への同行だけでなく、長い待ち時間の付き添いや、トイレへの介助なども可能。

「昔よく行ったレストランにまた行きたい」、「家族に負担をかけずにお墓参りをしてスッキリしたい」。そんな親御さんの切実な願いを、介護士のサポートのもと叶えることができます。

介護者のレスパイト(休息)のため

「レスパイト」とは、介護者に一時的な休息を提供することを意味します。

介護者が「自分の美容院に行きたい」、「友人とランチをしたい」、「一晩ぐっすり眠りたい」と願うことは当たり前です。こうした理由での利用は、介護保険では認められないことが一般的ですが、自費サービスであれば対応可能です。

介護保険の枠(単位数)を使い切ってしまったけれど、どうしてもあともう少し助けが欲しい。そんなときに、必要な時間だけスポットで利用できるのが保険外サービスの強みです。

介護保険外サービスの種類や費用、メリット・デメリットについては、こちらの記事をご覧ください。

介護保険外サービスの活用事例

屋外で車椅子を押すヘルパーと笑顔の高齢者

介護保険外サービスの活用事例をご紹介

介護保険外サービスは、制度の枠にとらわれずに、求めるサービスを受けられる点が魅力です。具体的にどのような場面で活用できるのか、ここでは4つのケースをご紹介します。

一人暮らし高齢者の見守り

【背景】離れて暮らす親の体調や生活状況が気になりつつも、頻繁には帰省できないケース。

「電話では元気だと言っているけれど、本当はどうなの?」「週末しか帰省できないので、普段の様子が心配……」という不安に対し、定期的にヘルパーが訪問することで解消できます。単なる安否確認だけでなく、一緒に冷蔵庫の整理をしたり、散歩に同行したり、話し相手になったりと多岐にわたるサポートが可能です。また、「最近、少し歩き方が不安定になっている」「物忘れが目立つ」といった細かな兆候を介護士の視点で早期にキャッチ。
離れていても親御さんの状況をリアルタイムに把握できることが、家族の精神的な安心感につながります。

仕事と介護を両立したい(ビジネスケアラー)

【背景】働き盛りの世代が直面する、朝夕の忙しい時間のケア不足。

働き盛りの世代を悩ませるのが、出勤前の朝や帰宅後の夕方など忙しい時間のケアです。

出勤前後の慌ただしい時間にはどうしてもケアが手薄になりがち。「要求を後回しにしてしまったり、ついイライラしてしまったりして自分を責めてしまう……」という声も多く聞かれます。
介護保険では早朝や夜間の介護は難しいことがありますが、介護保険外サービスのスポット利用なら、事業者によっては24時間いつでも困ったときに対応可能です。

「いざというときは、プロがいてくれる」という安心感があるだけで、仕事への集中力も変わります。介護のためにキャリアを断念することなく、自分の人生を歩み続けることができるのはもちろん、家族が心のゆとりを取り戻すことで、親に対しても優しく接することができるようになるのです。

退院直後で自宅療養に不安がある場合

【背景】病院から自宅に戻った直後の、急激な環境変化に対応しきれないケース。

病院や施設で24時間の看護・介護を受けていた親御さんの帰宅。自宅へ戻った直後は、本人も家族もパニックに陥りやすい時期です。公的なサービス調整が追いつかなかったり、夜間の排せつ介助や体位変換のやり方がわからなかったりと、不安で夜も眠れないというご家族の悩みを聞くことがあります。

そんなとき、介護保険外サービスなら介護保険の枠を超えた数時間単位の長時間見守りや、夜間の宿泊を伴うサポートを導入できます。
ヘルパーが自宅での生活動線に合わせた介助を行う傍らで、家族はプロの手つきを間近で見ながら、介護のヒントを得ることができるのもメリット。過酷な退院直後の数週間をプロと一緒に乗り切ることで、自宅での生活リズムが早期に整います。ご本人や家族にとって「これなら自分たちでもやっていける」という自信につながり、スムーズな在宅療養への移行が可能になります。

認知症の進行で目が離せない場合

【背景】認知症による徘徊や昼夜逆転、火の不始末などが心配で、家族が24時間体制で気を張っているケース。

認知症の症状が進むと、徘徊や火の不始末、あるいは昼夜逆転による夜間の騒ぎなどが起こりやすくなります。そのため、家族は24時間365日、常にアンテナを張り巡らせていなければならず、心身ともに疲弊を感じてしまいがちです。

訪問介護サービスでは、ヘルパーは本人の「できること」に着目し、会話を楽しんだり、一緒に洗濯物を畳んだり、趣味の話に耳を傾けたりして、日中の活動量を増やします。

日中にしっかりと活動することで生活リズムが改善し、夜間の良眠につながるケースもあります。そして何より、プロに任せている間は家族が介護のことを一切忘れて自分のために過ごせる時間を確保できるのも大きなメリット。映画を見に行く、美容院へ行く、時間を気にせず眠る……そんな休息の時間を持つことも大切です。

親の介護に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、親の介護に関するよくある質問をまとめました。

Q1.親に「介護が必要かも」と感じ始めましたが、まずどこに相談すればよいでしょうか?

A1.お住まいの市区町村にある地域包括支援センターへご相談ください。そこには社会福祉士や保健師、ケアマネジャーなどの専門家が常駐しており、介護保険制度の申請手続きや、地域の福祉サービス、高齢者の生活全般に関する悩みを無料で相談できます。まだ介護認定を受けていない段階でも、今後の備えについてアドバイスをもらうことが可能です。

介護サービスの申し込みや利用の流れについては、こちらの記事もご覧ください。

Q2.仕事と介護の両立に不安を感じています。介護休業などの制度は利用できますか?

A2.はい、法律で定められた介護休業や介護休暇などの制度を利用できます。

介護休業:対象家族1人につき通算93日まで取得可能です(3回を上限に分割取得も可)。介護休業中は、一定条件を満たせば雇用保険から「介護休業給付金」が支給されます。

介護休暇:急な通院の付き添いなどに、1年度につき5日間(2人の場合は10日間)まで1日単位や時間単位で取得できます。

これらの制度は、家族が介護をしながら仕事を続けるために活用することが推奨されています。まずは職場の就業規則を確認し、早めに上司や人事担当者へ相談してみましょう。

ビジネスケアラーが仕事を続けるための企業の取り組みや社会支援について、詳しくはこちらの記事でも解説しています。

Q3.親が「他人の手は借りたくない」と介護サービスの利用を拒んでいます。どう対応すべきでしょうか?

A3.一気にサービスを導入しようとせず、まずは健康チェックや趣味の延長といった名目で少しずつ慣れてもらうのがスムーズです。例えば、デイサービスを地域の交流会やリハビリ運動の場として利用してみたり、「プロの掃除を一度試してみよう」という形で家事支援を提案したりするなど、本人のプライドや抵抗感に配慮した声掛けを試してみるのはいかがでしょうか。また、家族以外の第三者(ケアマネジャーや医師)からすすめてもらうことで、本人が納得しやすくなるケースも多くあります。

まとめ

高齢者の方に手を置き笑顔の女性介護士

無理なく介護を続けるために、介護保険外サービスという選択肢を

親の介護は、長ければ10年以上続く長期戦です。1人で背負うにはあまりに重く、介護疲れを招いてしまうことが少なくありません。
親の介護を無理なく続けていくためには、頼れる選択肢を持つことが大切です。
そのひとつとして、ぜひ知っておいていただきたいのが「介護保険外サービス」の活用です。保険制度の枠にとらわれない柔軟なサポートを取り入れることで、介護に追われるだけではなく、家族としての穏やかな時間を取り戻すことができます。自分の人生を守りながら介護を続けることが、親の生活を守ることにもつながります。まわりの支援を上手に取り入れながら、無理のない形で介護を続けていきましょう。

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