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【料金比較表付き】特別養護老人ホーム(特養)の費用はいくらかかる? 相場や減免制度について解説

こんにちは、けあむすび編集部です。

今回は、特別養護老人ホーム(特養)について、学んでいきます。

介護に必要なお金のイメージ

【料金比較表付き】特別養護老人ホーム(特養)の費用はいくらかかる?
相場や減免制度について解説

特別養護老人ホーム(特養)は、在宅での生活が困難となった高齢者の生活を支援する重要な施設のひとつです。しかし、利用を検討する時に、避けては通れないのが「費用の問題」ではないでしょうか。

この記事では、月額料金はいくらかかるのか?その内訳や相場は?費用を軽減するための制度や方法は?など、特別養護老人ホームに入所する際の費用について詳しく解説します。特別養護老人ホームの費用は、生活を送る居室のタイプごとに異なり、施設の体制によって加算が付く場合もあります。
分かりやすい料金比較表をご用意していますので、施設選びの参考にしてください。

特別養護老人ホーム(特養)とは?

若い男女の介護士

特別養護老人ホーム(特養)を知ろう!

特別養護老人ホーム(特養)は、要介護状態の高齢者が、24時間体制で介護や生活支援を受けられる施設です。
食事、入浴、排泄といった日常生活のサポートはもちろん、健康管理やリハビリテーション、レクリエーションなども提供されます。中には、終末期の医療ケアや看取りに対応している施設もあります。

入居できるのは、原則として65歳以上で要介護度3以上の方です。
ただし、特定疾病が認められた要介護3以上の40歳〜64歳の方や、心身の状態や環境などに特別な理由があり、自宅での生活が困難な要介護度1または2の方は、特例として入居が認められる場合があります。例えば、認知症や知的障害、精神障害、単身世帯、同居家族が高齢または病弱である、家族による虐待の疑いなどがあるケースが挙げられます。

民間施設と公的施設の違い

高齢化社会が進むなか、さまざまな種類の介護施設が登場しています。
高齢者向け施設には、大きく分けて民間施設と公的施設の2種類があります。
利用者の状況や希望に合った施設を選ぶためには、それぞれの施設の特徴やメリット・デメリットを知っておくことが大切です。今回は、民間施設と公的施設の違いを、表を用いて分かりやすく解説します。

 

施設の種類

特徴

メリット

デメリット

民間施設

介護付き有料老人ホーム

・要介護認定を受けた高齢者を対象に、介護サービスや生活支援を行う施設

・介護スタッフが24時間常駐し、介護や機能訓練、看護ケアが受けられる

・24時間介護サービスが受けられる

・施設数が豊富

・レクリエーションやイベント、設備が充実している

・費用が高額になる場合がある

・施設によって特色があり施設選びが難しい

住宅型有料老人ホーム

・居室は原則個室

・他利用者との共用スペースも設けられている

・介護が必要な場合は、外部の介護サービスを契約する必要がある

・必要な支援を受けながら、自由度の高い暮らしが送れる

・レクリエーションやイベントなどを通して他の入居者との交流が楽しめる

・外部の介護サービスを利用するため、介護が多く必要な場合は費用が高額になる

・手厚い介護が必要になった場合、退去しなければならない可能性がある

グループホーム

・認知症の方がケアを受けながら、少人数で共同生活を送る施設

・要支援2以上の認定を受けた認知症の方が対象

 

・入居者の数が少なくアットホームな雰囲気

・施設職員が24時間常駐している

・入居は住民票のある市町村内の施設に限られるため、慣れ親しんだ地域で暮らせる

・入居定員が少なく、待機期間が長い傾向がある

・看護師等の医療スタッフの配置義務がないため、医療行為が必要な場合は入居が難しい

サービス付き高齢者向け住宅

・住居スペースと共有スペースを設けたバリアフリーの施設

・一般型は介護サービスを必要としない方を対象とし、安否確認や生活相談のサービスを受けられる

・介護型は常駐スタッフから介護サービスを受けられる

 

【一般型】

・バリアフリー環境で自由度の高い暮らしができる

・介護認定がなくても入居できる

【介護型】

・介護度が高くても入所できる

【一般型】

・介護が必要な場合は、外部の介護サービスを利用するため費用がかかる

・介護度が高いと入所できない場合がある

【介護型】

・入居一時金などの初期費用が一般型よりも高額な場合がある

シニア向け分譲マンション

・基本的に自立した生活が送れる高齢者を対象にしたバリアフリー化が施された分譲マンション

・安否確認サービスやフロントサービスが受けられる

・資産となる

・自由な生活が可能

・娯楽施設などの設備やサービスが充実していることが多い

・マンションの購入費用や管理費などが必要

・外部の介護サービスを利用するため費用がかかる

・手厚い介護が必要になると住み続けるのが難しい

公的施設

特別養護老人ホーム(特養)

・原則要介護3以上の方を対象に、入浴や排泄、食事の他、日常生活の介助、機能訓練などが受けられる施設

・終身利用が可能

 

・入居一時金が不要

・月額利用料が抑えられる

・施設の職員が介護を行うためケアに一体感がある

・スタッフの介護体制が定められており、24時間のケア体制が整っている

・入居待ちが長い場合がある

・医師や夜間の看護職員の常駐は義務ではないため受けられる医療には限界がある



介護老人保健施設(老健)

・原則要介護1以上の方とする人を対象

・医師・看護師が常駐しており、医療ケアと介護を一体的に提供する施設

・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が配置されており在宅復帰を目的にしたリハビリテーションが受けられる

・専門的なリハビリテーションを受けて在宅復帰を目指せる

・入居一時金が不要で初期費用が抑えられる

・医師や看護師による医療行為を受けることができる

 

・在宅復帰・在宅療養支援を目的としているため3~6か月ごとに審査が行われ、長期間の入所が難しい

 

ケアハウス

・軽費老人ホームとも呼ばれ、比較的安価な料金でサービスが受けられる高齢者向け施設

・自立度の高い方向けの「一般型」と介護が必要な方向けの「介護型」がある

・他施設と比較して費用が安い

・所得に応じて利用料金が設定される
【一般型】

・外出や外泊など自由な暮らしが可能

・食事や掃除、洗濯など生活支援サービスが受けられる

・必要に応じて外部の介護サービスを利用できる

【介護型】

・24時間介護スタッフのケアが受けられる

・日中は看護師が配置されている

・終身利用も可能

・待機期間が長い場合が多い

【一般型】

・外部の介護サービスを利用するため別途費用がかかる

・介護度が高くなると退所しなければならない場合がある

【介護型】

入居一時金などの初期費用が一般型よりも高額であることが多い

主な違いは、民間施設は民間企業、公的施設は、社会福祉法人、医療法人などが運営している点です。
民間施設は多様なサービスを提供しているため高額になることが多いですが、公的施設は入居一時金が不要な場合が多く、費用が抑えられるという特徴があります。施設を選ぶ際には、費用やサービス内容を考慮して複数の施設を比較検討することが大切です。

主な介護施設の月額の費用相場

円マーク入りのハートを持つ手

主な介護施設の月額の費用相場は?

介護施設を利用する際には、主に「入居一時金」と「月額利用料」の2種類の費用が発生します。入居一時金は施設の入居時にかかる初期費用で、家賃の前払い金に相当します。
月額利用料は、居住費や食費などを含む施設利用料で、毎月支払う必要があるものです。

特別養護老人ホームをはじめとする公的施設では、入居一時金が不要な場合が多く、月額利用料も抑えられている傾向があります。一方、介護付き有料老人ホームなどの民間施設は、入居一時金が必要な場合が多く、その額は0円~数千万円までさまざま。月額利用料も、数万円~数十万円と施設によって差が大きいのが特徴です。月額料金には、日用品の購入や施設で提供されるレクリエーションの一部、理美容費用、介護保険の対象外サービスの費用なども含まれます。さらに、居室のグレードや医療体制によっても料金は変わります。例えば、24時間看護師常駐といったサービスが充実している施設では、月額料金に追加で費用が設定されることがあります。

介護施設の費用相場は、施設の種類やサービス内容だけでなく、地域によっても大きく変動します。施設の利用を検討する際には、利用したい地域の費用相場を確認しておくことが大切です。中には、入居一時金がかからない施設もあります。ただし、その場合は月額利用料が割高になるケースもあるため、支払いプランに合わせて入居する施設を検討しましょう。

特別養護老人ホームの居室タイプ別の料金相場

特別養護老人ホーム(特養)の居室は、大きく分けて多床室、従来型個室、ユニット型個室、ユニット型個室的多床室の4種類です。
それぞれのタイプによって、特徴、メリット・デメリット、そして費用が異なります。
ここでは、それぞれの居室タイプについて詳しく解説し、費用相場を比較してみましょう。(特養の入居要件は要介護3以上ですが、特例で要介護1.2も入所できる場合があるため、介護度1~5までを記載しています。)

なお、ここで記載している施設介護サービス費は1割負担(例:世帯における65歳以上の人数が1人かつ合計所得金額が160万円未満)の場合の金額です。また、金額は施設や地域によって若干異なる可能性があるため、ご注意ください。

多床室

複数のベッドが一つの部屋に置かれている形式で、昔ながらの病院のようなイメージの居室です。一般的に、他のタイプの居室を比べて費用が安く、他の入居者との交流が盛んであるため、共同生活を楽しみたい場合にはメリットになるでしょう。一方、プライバシーを保ちにくく、周りの人の生活音が気になる場合があることには注意が必要です。

介護度

介護度1

介護度2

介護度3

介護度4

介護度5

施設介護サービス費

17,670円

19,770円

21,960円

24,060円

26,130円

居住費

25,650円

食費

43,350円

日常生活費

10,000円~

合計

96,167円

98,770円

100,960円

103,060円

105,130円

従来型個室

1人の入居者が一つの部屋を使う個室の形式で、プライバシーが保てます。多床室に比べると費用は高いですが、人の目を気にせず自分のペースで生活ができる点がメリットです。また、好きな家具やインテリアを持ち込んで部屋をアレンジできるのも特徴のひとつ。ただし、居室にこもっていると他の入居者との交流が少なくなってしまう可能性があります。心配な場合は、レクリエーションなどの活動が充実している施設を選ぶのもよいでしょう。

 

介護度

介護度1

介護度2

介護度3

介護度4

介護度5

施設介護サービス費

17,670円

19,770円

21,960円

24,060円

26,130円

居住費

35,130円

食費

43,350円

日常生活費

10,000円~

合計

106,150円

108,250円

110,440円

112,540円

114,610円

ユニット型個室的多床室

リビングのような共有スペースの周りに、多床室をパーテーションなどで簡易的に区切った部屋を配置した形式です。以前は、ユニット型準個室と呼ばれていました。完全な個室ではないため、プライバシーの確保が難しいことはデメリットといえます。ユニット型個室と比較すると費用が抑えられること、他の入居者との交流ができることが特徴です。(2021年の介護報酬改定によってユニット型個室的多床室の新設は禁止となりました。) 

介護度

介護度1

介護度2

介護度3

介護度4

介護度5

施設介護サービス費

20,100円

22,200円

24,450円

26,580円

28,650円

居住費

50,040円

食費

43,350円

日常生活費

10,000円~

合計

123,490円

125,590円

127,840円

129,970円

132,040円

ユニット型個室

共有スペースの周りに個室が配置されている形式です。プライベートな空間と、他の入居者との交流の場を両立できること、個々の入居者の状態に合わせて、きめ細やかなケアを受けられることがメリットです。注意点は、他の居室タイプと比較して費用が高いこと、人気のユニットは入居待ちが長くなることです。入居を希望する施設がある場合は、空きが生じた時に連絡がもらえるよう、入居待ちを申請しておきましょう。

 

介護度

介護度1

介護度2

介護度3

介護度4

介護度5

施設介護サービス費

20,100円

22,200円

24,450円

26,580円

28,650円

居住費

60,180円

食費

43,350円

日常生活費

10,000円~

合計

133,630円

135,780円

137,980円

140,110円

142,180円

特別養護老人ホームでかかる費用内訳

書類を持っている介護士

特別養護老人ホームでかかる費用内訳は?

特別養護老人ホームに入居する際にかかる費用は、主に「施設サービス費」「居住費」「食費」「日常生活費」の4つです。それぞれの内容と、費用相場について詳しく解説します。

施設サービス費

介護職員による身体介護(食事、排泄、入浴の介助など)、生活支援(掃除、洗濯など)、機能訓練(リハビリテーション)などのサービスを受けるための費用です。介護保険の自己負担額が適用されるため、所得に応じて1~3割の自己負担額が決定します。費用は介護度によって異なり、要介護度が上がるほど費用も高くなります。

居住費

家賃にあたる部屋の利用料です。特別養護老人ホームの居室は、生活に必要な設備は揃っているため、介護ベッドや家具などを新しく揃える必要はありません。居住費は、個室、多床室など部屋の種類によって金額が大きく異なるため、希望の居室タイプと費用についてよく検討することが大切です。一般的に、多床室、従来型個室、ユニット型個室的多床室、ユニット型個室の順に費用が高くなります。

食費

食費は、1日3食で1,000~2,000円程度が一般的です。昼間に外出し、施設で食事を食べなかった場合でも3食分をまとめて支払わなくてはならない点には注意しましょう。ただし、入院や外泊などで数日間食事がいらない時には、事前に食事を止めて支払いを停止できます。また、特別食や行事食などは、別途費用がかかる場合もあります。

日常生活費

日常生活費には洗面用具、衣類、日用品などの購入費用や、理髪代、娯楽費などが含まれます。日常生活費は個人差が大きく、一概に金額を決めることはできませんが、月10,000円~の費用を想定しておきましょう。

特別養護老人ホームに入居した場合の月々の費用の目安

特別養護老人ホームの施設介護サービス費用は、入居者本人とその配偶者または、扶養義務を負う者の合計所得によって負担割合が決定されます。
この負担割合は、前年度の所得に応じて1割、2割、3割のいずれかに区分されます。65歳以上の要介護認定を受けている方の費用負担の割合を見てみましょう。

本人の合計所得

年収 + その他の合計所得金額

自己負担割合

160万円未満

-

1割

160万円以上
220万円未満

単身世帯:220万円未満
2人以上世帯:346万円未満

1割

単身世帯:280万円以上
2人以上世帯:346万円以上

2割

220万円以上

単身世帯:280万円未満
2人以上世帯:346万円未満

1割

単身世帯:280万円以上340万円未満
2人以上世帯:346万円以上463万円未満

2割

単身世帯:340万円以上
2人以上世帯:463万円以上

3割

 

なお、要介護認定を受けている40歳以上65歳未満の人は、所得にかかわらず1割負担となります。また、住民税非課税または生活保護受給者も1割負担です。

収入や世帯の人数に応じて費用が変動するため、実際の自己負担額については、入所を希望する施設に直接確認しましょう。

料金が加算になる場合とは

特別養護老人ホームの費用は、施設のサービス内容や加算によって変動します。
加算が算定されている施設は利用料金が上がりますが、それだけ手厚いサービスが提供されているとも言えます。入所を検討する際には、施設の加算について確認することも大切です。加算には、さまざまな種類がありますが、ここでは「介護体制の加算」「栄養・口腔関連の加算」「日常生活継続支援加算」についてご紹介します。

介護体制の加算

介護体制の加算は、施設の介護体制が充実していることを評価し、加算されるものです。夜間に十分な数の職員を配置し、入居者の夜間の安全確保や緊急時の対応を行っている施設には「夜勤職員の配置加算」、看護職員が常駐して入居者の健康状態を24時間体制で管理している施設には「看護体制加算」が算定されます。また、入居者一人ひとりの状態に合わせた個別機能訓練を行っている施設には「個別機能訓練加算」が算定されます。見守りや機能訓練の強化などを希望する場合は、これらの加算が付いている施設を検討するのもよいでしょう。

さらに、高齢化社会が進む近年、需要が増えているのが、終末期の看取りケアです。質の高い看取りケアを行っている施設には「看取り介護加算」が算定されます。

栄養・口腔関連の加算

栄養状態や口腔のケアは、高齢者の健康維持に非常に重要です。これらの分野で質の高いサービスを提供している施設には栄養・口腔関連の加算が算定されます。

管理栄養士が常駐して入居者の栄養状態を適切に管理している施設には「栄養マネジメント強化加算」、口腔ケアに力を入れて経口摂取を支援している施設には「経口維持加算」、歯科医師や歯科衛生士による口腔ケアを行っている施設には「口腔衛生管理加算」が算定されます。

お口の健康維持は、低栄養や誤嚥、誤嚥性肺炎の予防など全身の健康に重要な役割を果たします。2024年の医療・介護同時改定では、リハビリ・口腔・栄養が一体になって利用者の栄養状態改善に取り組むことが決定されました。今後ますます重要性が高まる分野であるといえるでしょう。

日常生活継続支援加算

認知症の利用者や重度の要介護者の受け入れをしている特別養護老人ホームが算定できる加算です。加算の条件には、介護福祉士の配置要件を満たしていること、要介護4~5の入所者が70%以上であること、痰吸引が必要な入所者が15%以上であることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。この加算は、重度の入所者を多く受け入れている施設において利用者への適切なケアを行い、サービスの質を向上させる目的があります。

高齢夫婦と電卓

特別養護老人ホームの料金負担を軽減する制度がある?

特別養護老人ホームの利用に際しては、いくつかの制度を利用することで、費用の負担を軽減できる場合があります。
それぞれの制度を利用するには条件があり、軽減される額も異なります。今回は「負担限度額認定制度」「利用者負担軽減制度」「高額介護サービス費制度」「高額医療・高額介護合算療養費制度」の4つの制度について詳しく解説します。

負担限度額認定制度

負担限度額認定制度は、介護保険施設を利用した際にかかる費用(住居費・食費)を軽減する制度のことです。この制度は、利用者の所得や財産に応じて第1~第4段階に分けられます。
負担限度額認定制度は、所得や資産の少ない方にとって大変大きな助けとなる制度です。ただし、グループホームと有料老人ホームは限度額認定制度の対象外となります。制度を利用する際には注意しましょう。

段階

所得要件

資産要件

第1段階

老齢福祉年金受給権者、生活保護受給者など

単身:1000万円以下
夫婦:2000万円以下

第2段階

本人の合計所得金額と課税年金および非課税年金の収入額の合計が年額80万円以下の方

単身:650万円以下
夫婦:1650万円以下

第3段階(1)

本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額80万円を超え120万円以下の方

単身:550万円以下
夫婦:1550万円以下

第3段階(2)

世帯全員が市町村民税非課税かつ本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円超の方

単身:500万円以下
夫婦:1500万円以下

第4段階

上記いずれにも該当しない市町村民税世帯課税者

-

利用者負担軽減制度

所得が低く、生計が困難であると判断された場合に介護保険サービスの自己負担額を軽減する制度です。対象となるのは、以下の要件をすべて満たし、自治体が認定した者です。

単身の場合、年間収入が150万円以下、世帯人数が1人増えるごとに50万円を加算した額以下であること。
預貯金等の額が単身世帯で350万円以下、世帯人数が1人増えるごとに100万円を加算した額以下であること。
日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと。
負担能力のある親族等に扶養されていないこと。
介護保険料を滞納していないこと。

各自治体によって、資産制限や世帯構成に関する条件が設定されている場合があるため、利用を検討する際には、各自治体に確認しておきましょう。

高額介護サービス費制度

1ヶ月間の介護サービスの利用額の合計が、負担額上限の金額を超えたとき、その超えた分が払い戻される制度です。ただし、高額介護サービス費の支給対象とならない費用もあるため注意しましょう。介護施設に入居した際の食費や居住費、差額ベッド代、日常生活費、福祉用具の購入費、バリアフリー住宅への改修費などは対象外です。

高額医療・高額介護合算療養費制度

医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、年間の自己負担額が年収に応じた自己負担額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。医療と介護の両方の費用負担が軽減されます。

【限度額】

収入

75歳以上

70~74歳

70歳未満

 

介護保険+後期高齢者医療

介護保険+被用者保険または国民健康保険

年収約1160万円~

212万円

212万円

212万円

年収約770~1160万円

141万円

141万円

141万円

年収約370~770万円

67万円

67万円

67万円

~年収約370万円

56万円

56万円

60万円

市町村民税世帯非課税等

31万円

31万円

34万円

市町村民税世帯非課税
(年金収入80万円以下等)

19万円

19万円

34万円

入居までの流れと待機期間

特別養護老人ホームに入居するには、いくつかの手続きが必要になります。
また、人気の地域や施設は、待機期間が発生するケースも少なくありません。
ここでは、特別養護老人ホームの入居までの流れと待機期間にできることについて解説します。

特別養護老人ホームに入居する流れ

まずは、地域包括支援センターやケアマネジャーと相談したり、インターネットを通じて希望の施設を探します。
気になる施設があれば見学に行き、施設の雰囲気やサービス内容などを確認しましょう。入居したい施設が決定したら、次に申し込みを行います。入居申込書や介護保険被保険者証のコピー、介護認定調査票のコピー、戸籍謄本などの書類を揃え、施設に提出します。施設側で、入居者の要介護度や健康状態などを含めて審査を行い、入居を決定します。

待機期間

高齢化が進む昨今、特別養護老人ホームの申し込み人数は大変多く、需要に対して供給が追い付いていない現状があります。
厚生労働省が発表した令和4年度の【市町村における特別養護老人ホームの稼働状況】によると、半数近くの市町村が「基本的に全ての施設で満員」と回答しています。待機期間は、地域や施設によって大きく異なりますが、数年単位で待機が発生するケースも多く見られます。特に都市部では、待機期間が長くなる傾向にあります。

待機期間中にできる準備

今すぐ特別養護老人ホームへ入居できない場合、待機期間中の在宅での介護は大きな負担になります。
そのような場合、介護老人保健施設やグループホームなど、他の施設を一時的に利用するのもひとつです。また、訪問介護や通所介護のサービスを利用して自宅での生活をサポートする方法もあります。複数の介護サービスをうまく組み合わせることで、長時間のケアを受けられる可能性もあるため、ケアマネジャーに相談してみてください。

介護保険外の自費サービスを利用

待機期間中、より充実した生活を送りたいとお考えの方は、介護保険外の自費サービスを利用する方法もあります。介護保険の対象外になるため全額自己負担となりますが、公的介護保険では対応できないサービスも受けられる点が大きなメリットです。例えば、趣味や余暇の外出の付き添い、長時間の見守り、送迎など、さまざまな困りごとに柔軟に対応できます。

クラウドケアでは、買い物や散歩、旅行の付き添いなどの余暇活動のほか、掃除、洗濯、ごみ出しなどの家事代行、長時間の日中・夜間の見守り介護など、多岐に渡る日常生活のサポートができる体制を整えています。介護保険外の自費サービスを利用することで、待機期間中も快適な生活を送ることができるでしょう。

まとめ

車椅子に乗った高齢者女性と女性スタッフ

特別養護老人ホーム(特養)を正しく知ろう

この記事では、特別養護老人ホーム(特養)の入居にかかる月額費用や加算の要件、減免制度について表を用いて詳しく解説しました。
特別養護老人ホームは、他の高齢者施設と比較すると、値段を抑えながら、手厚いサポートが受けられる点が魅力です。
しかし、人気があるため、待機期間が長期になる場合もあります。もし待機期間が発生した場合は、グループホームや有料老人ホームなど他の施設への一時的な入居や介護保険外の自費サービスの利用を検討し、快適な生活を維持しましょう。

特別養護老人ホームは、施設が算定している加算によっても受けられるケアが変わります。高齢者施設の入所を検討する際には、費用や制度について正しく理解し、計画的に手続きや準備を進めることが大切です。

また、すぐに特別養護老人ホーム入れないときには、在宅介護の介護保険サービスや介護保険外サービスを利用するのもひとつの手です。ぜひ検討してみてください。

 

介護保険外だからいつでも、なんでも相談できる