こんにちは、けあむすび編集部です。
今回は、「介護保険外サービス」について、学んでいきます。
介護保険内のサービスでは対応しきれない、多様なニーズに応えるのが介護保険外の自費サービスです。
利用者だけでなく、ご家族の生活を支える新たな選択肢として、今注目を集めています。
この記事では、介護保険外サービスの具体的な種類、費用、利用する上でのメリットとデメリットを詳しく解説します。ご自身の状況やニーズに合わせて賢くサービスを選ぶためのポイントを押さえ、より豊かで快適な生活を送るための一助となれば幸いです。
- 介護保険外サービスとは?
- 介護保険外サービスを提供する組織
- 介護保険外サービスの事例一覧
- 介護保険外サービスを利用するメリット
- 介護保険外サービスを利用するデメリット
- 介護保険外サービスを利用する際のポイント
- 介護保険外サービスの費用について
- 介護保険外サービスはこんな方におすすめ
- まとめ
介護保険外サービスとは?
介護保険外の自費サービスとは、介護保険法に基づかず、利用者が全額自己負担で利用できるサービスの総称です。
介護保険外サービスを上手に活用すれば、利用者や家族のニーズを叶え、利用者の生活の質を大きく向上させることができます。また、介護を担うご家族にとっては、身体的な負担や精神的なストレスの軽減にもつながります。
介護保険サービスとの違い
介護保険サービスが、原則として要介護・要支援認定を受けた方を対象としています。それに対し、介護保険外サービスは認定の有無にかかわらず、すべての高齢者や障がい者、要支援者など幅広い層が対象です。
また、介護保険サービスでは対応しきれない、より個別的で多様なニーズに柔軟に対応できるのも大きな特徴です。
提供事業者によってサービスの内容は異なり、身体介護、生活援助、外出支援、リハビリ、趣味活動支援、見守りなど、多岐にわたるサービスが存在します。
項目 |
介護保険サービス |
介護保険外の自費サービス |
対象者 |
原則として要介護・要支援認定を受けた方(年齢制限あり) |
すべての高齢者、障がい者、要支援者など(認定不要) |
費用負担 |
一部自己負担(所得に応じて1割~3割) |
全額自己負担 |
サービス内容 |
法令で定められた範囲内 |
提供事業者によって多種多様、柔軟な内容 |
利用目的 |
日常生活の維持、介護度の維持・改善など |
左記+介護保険サービスでは対応できないニーズを満たすため |
介護保険外サービスが注目される理由
近年、介護保険外サービスが注目を集めている背景には、以下のような社会的な要因があると考えられます。
高齢化による家族の負担増
核家族化と高齢化が進み、高齢者を支える家族の人数が減少したことで、介護負担は増大の一途をたどっています。また、仕事をしながら介護を行うビジネスケアラーも増加しており、家族の「介護疲れ」が問題視されるようになりました。
そこで活躍するのが、介護保険外サービスです。介護保険外サービスなら、介護保険内では対応できない回数や時間帯であっても、必要なサービスを受けることができます。また、外出支援を利用している間、ご家族が一時的に介護から離れ、自分の時間を作ることで介護負担の軽減にもつながります。
多様化するニーズへの対応
人生100年時代と言われる現代において、高齢者のニーズは、より個別的で多様なものとなっています。介護保険外サービスは、外出時の付き添いや長時間の見守り、趣味活動の支援など、利用者のニーズに沿ったサービスを受けることができ、生活の質の向上にも貢献します。
介護事業所の収益性向上
全額自己負担の介護保険外サービスは、利用者のニーズに応えられるだけでなく、介護事業所の新たな収益源となり、経営の安定化に貢献する側面もあります。
介護保険外サービスを提供する組織
介護保険外サービスを提供する組織にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解することで、利用者と家族のニーズに合った事業者を選びやすくなるでしょう。
市区町村などの自治体
市区町村などの自治体が、地域に住む高齢者や障がい者向けに、独自の介護保険外サービスを提供している場合があります。例えば、移動・送迎サービスやおむつの宅配サービス、配食サービスなどが挙げられます。費用は比較的安価に設定されていることが多いですが、受けられるサービスの種類や利用条件は自治体によって差があります。利用を検討する場合は、市区町村や地域包括支援センターに問い合わせましょう。
社会福祉協議会
社会福祉協議会は、地域福祉の推進を目的とした公共的な団体です。介護保険外サービスも、地域住民への福祉サービスの一環として提供している場合があります。
こちらも、民間企業と比較すると費用が安価であることが多く、掃除洗濯などの家事支援サービスや、外出の付き添い、通院介助などのサービスなどが受けられます。地域に根差した活動を行っており、ボランティアを活用したサービスも見られます。
介護事業所
介護保険サービスを提供している事業所が、保険外のオプションサービスを提供している場合があります。例えば、介護保険の時間制限を超えた身体介護やより細やかな生活援助などが挙げられます。介護保険サービス利用時に、オプションとして柔軟に組み込むことができ、既存のヘルパーが対応するため顔見知りの人に依頼できる安心感がメリットです。
民間企業
近年、多様なニーズに対応するため、多くの民間企業が介護保険外サービスに参入しています。費用はかかりますが、サービス内容が豊富で広範囲のニーズをカバーでき、急な依頼にも対応できる体制が整っている点が魅力です。
例えば、付き添いサービス(買い物、散歩、旅行、カラオケ、映画館、フィットネスジムなど)、リハビリ、訪問サービス、見守り・安否確認、訪問理美容、ペットケア、趣味活動支援、冠婚葬祭・旅行への付き添い、夜間など長時間の見守り、オーダーメイドサービスなど提供できるサービスは多岐にわたります。
介護保険外サービスの事例一覧
介護保険外サービスは、その提供主体や利用者のニーズに応じて、数多くのサービスが存在します。ここでは、代表的なサービス内容を具体的にご紹介します。
身体介護サービス
食事、排泄、入浴、移動などの日常生活における基本的な動作を支援するサービスです。
介護保険サービスの時間や回数の制限を超えて利用したい場合や、介護保険の対象とならない介助を希望する場合に利用できます。クラウドケアでは、介護のスケジュール表を作成し、一人ひとりの心身状態や要望に合わせて必要な介護を提供しています。ご家族からは「タイムスケジュールに沿って柔軟に対応してもらい助かった」との声をいただくなど、ご家族の介護負担軽減にも貢献しています。
生活援助サービス
調理、買い物、掃除、洗濯、ごみ出し、薬の受け取り、荷物の片付けなど、日常生活を円滑に送るための家事全般を支援するサービスです。介護保険では、利用者本人以外のためになるサービスを行うことができません。しかし、介護保険外サービスであれば、同居家族の洗濯や家事のほか、草むしりや庭の手入れ、ペットのお世話の代行なども依頼できます。クラウドケアの生活援助サービスは、上記の他に郵便物の整理や衣替えのお手伝い、電球の取り替えなど細かな家事にも対応可能です。「介護に追われていると、身の回りのことに手が回らない…」そんな困りごとを解消するため、小さなことでもサポートさせていただいています。
外出支援サービス
散歩や買い物、旅行、お墓参り、余暇や趣味の付き添いなどあらゆる場面で外出支援サービスを使うことができます。クラウドケアでは、カラオケ付き添いや映画館付き添い、フィットネスジム付き添いなど、利用者の希望に寄り添いながら社会参加を促進するためのユニークなサービスも提供しています。
リハビリサービス
理学療法士、作業療法士などの専門的なスタッフが居宅を訪問し、個別のリハビリテーションプログラムに基づいて機能訓練を行うサービスです。介護保険では、疾患によってリハビリテーションを受けられる期限が設けられています。しかし、期限が過ぎても回復を目指したい、機能を維持したいと考える方は少なくありません。自費でのリハビリサービスであれば、自分の好きな時間や回数を選択し、自宅や施設でのリハビリテーションを継続することができます。
クラウドケアでは、国内外10拠点にて脳卒中のリハビリを専門に行う「脳梗塞リハビリステーショングループ」の審査・研修を受けた専門スタッフ(理学療法士・作業療法士)がサービスを実施。これまで脳梗塞リハビリステーショングループでは500名以上の方にリハビリテーションを提供し、目標へのアプローチを支援してきました。脳卒中だけでなく、その他のリハビリが必要な方も対応できますので、お気軽にお問合せください。
訪問音楽サービス
専門的なスタッフが自宅や介護施設を訪問し、音楽を通じて利用者の心身の活性化を図るサービスです。一緒に歌ったり音楽に合わせて身体を動かしたり、簡単な楽器の演奏を通して、楽しみながら体や脳を使うことができます。また、季節を感じる音楽や懐かしい歌を聞いてお話したり歌ったりする時間は、自分らしい生活を送ることにも貢献できます。
クラウドケアでは、認知症サポーター養成講座を受講済みのスタッフによる訪問音楽サービスをご提供しています。
見守り・安否確認サービス
緊急時の通報システムや定期的な訪問、電話連絡、センサーによるモニタリング、日中・夜間の見守り、就寝・起床介助などを行い、利用者の安全を確保するためのサービスです。見守り・安否確認サービスには、さまざまな方法があるため、介護度合いや見守りが必要な時間帯などを考慮し、状況に合ったサービスを選びましょう。
クラウドケアでは、夜間など長期間の見守りや、食事や水分がきちんと摂れているかヘルパーが確認する「水分・食事摂取量チェック」など細やかなサービスも提供しています。
その他専門サービス
介護保険外サービスの内容は、提供事業者によってさまざまです。例えば、訪問理美容、配食サービス、ペットケア、趣味活動支援など自由度の高いサービスが提供されています。クラウドケアでは、以下のようなオーダーメイドサービスの提供が可能です。
冠婚葬祭・旅行への付き添い
結婚式や葬儀への付き添い、思い出の場所や故郷への旅行付き添いなど、介護保険サービスでは難しい外出支援を行います。冠婚葬祭の付き添いでは、行き帰りだけでなく会場内での身の回りのこともお手伝いします。旅行付き添いは、国内海外問わずに利用可能です。1人での外出が不安な方や、旅行やお出かけを変わらず楽しみたい方にお選びいただいているサービスです。
夜間など長時間の見守り
体調の変化や認知機能の低下により転倒やベッドからの転落、点滴の抜管などのリスクがある方は24時間目が離せず、介護者の負担も大きくなってしまいます。
そこで、クラウドケアでは、日中夜間問わず長時間の見守りに対応。
夜間の見守りやトイレ介助などのサポートのほか、起床から入眠まで体調確認や排泄、着替えなどの介助を行います。自宅だけでなく病院や施設での見守りも可能です。ご家族が不在になる時間や、より見守りに注意が必要な場合にご利用いただけます。
介護保険外サービスを利用するメリット
介護保険外サービスを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ひとつずつ解説します。
必要なサービスを受けられる
介護保険内のサービスだけでは対応しきれない状況が発生したとき、「家族でどうにかしなければ…」と悩むケースがみられます。しかし、介護保険外の自費サービスは、利用回数や期間に制限がなく、より柔軟なサービス提供ができる点が大きなメリットです。介護保険外サービスならば、多岐にわたるサービス内容の中から、利用者や家族が本当に必要とするサービスを、必要な時に、必要なだけ利用することができます。
家族の負担が軽減できる
同居家族がいる場合、介護保険のサービス利用が制限されてしまうことがあります。そのような場合でも、介護保険外サービスで介護や家事、専門的なケアを依頼すれば、家族が介護から離れる時間を作り、身体的および精神的な負担を軽減できます。
利用者のニーズを満たせる
介護保険外サービスでは、趣味活動の支援や社会的な交流の促進、希望に沿った外出支援など、利用者の生活の質を向上させるための多様なサービスを利用できます。利用者や家族のやりたいことを叶え、より満足度の高い生活が実現できます。
サービス提供のスピードが速い
介護保険サービスは、申請から認定、サービス開始までに時間がかかる場合がありますが、介護保険外サービスは事業者との直接契約になるため、比較的速くサービスを開始できる場合があります。また、急に介護や見守りが必要になったという場合に素早く対応できる点もメリットです。
介護保険外サービスを利用するデメリット
一方で、介護保険外サービスの利用には、以下のようなデメリットも存在します。
全額自己負担である
介護保険サービスとは異なり、介護保険外サービスは全額自己負担となります。サービスの利用頻度や内容によっては、費用が高額になる可能性がある点には注意が必要です。提供事業者によって費用も異なるため、利用したいサービスや利用頻度をシミュレーションし、無理のない費用であるか確認しましょう。
サービスの内容や質にばらつきがある
介護保険外サービスは、提供事業者によってサービス内容や質にばらつきがある場合があります。信頼できる事業者を選ぶためには、綿密な情報収集が重要です。本人や家族が希望するサービスが揃っているか、満足できるサービス内容であるか複数の事業所の情報を集めて比較検討する必要があります。
介護保険外サービスを利用する際のポイント
介護保険外サービスを賢く利用するためには、以下のポイントを押さえましょう。
必要なサービスの種類を検討する
まずは、どのようなサービスが必要なのか、具体的なニーズを明確にする必要があります。
身体的な介護なのか、生活支援なのか、外出支援なのか、専門的なケアなのかなど、本人と家族にとって必要なサービスを整理しましょう。
ただし、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて利用することは、混合介護と呼ばれ、利用者にとって利便性が高い一方で、その線引きには注意が必要です。「混合介護」とは、同じ事業所が、介護保険サービスと介護保険外サービスを同時間内に組み合わせて提供することを指します。これにより、利用者は一連の流れの中で必要なケアを受けられるため、負担を軽減できるというメリットがあります。しかし、この「同時間内に同じ事業所が提供する」という点が重要であり、両サービスの境界が難しいという注意点も存在します。 介護保険内と保険外の介護サービスを適切に利用し、混乱を避けるためには、まずケアマネジャーに相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、ご自身やご家族に最適なサービス利用計画を立てることができます。
なお、介護保険外サービスに特化しているクラウドケアの場合、混合介護の線引きを気にすることなく、ニーズに合わせて必要なケアを受けられるのが大きな特徴です。
事業者を選ぶ
信頼できる事業者に依頼するためには、評判や口コミなどを活用して利用者の声を参考にしましょう。複数の事業所から見積もりを取り、サービス内容や料金プランを比較するのが有効です。
また、どのようなヘルパーが在籍しているのかも重要なポイントです。クラウドケアでは、介護資格の有無や経験はもちろん重要ですが、それ以上にヘルパーの「人間性」を大切にしています。なぜなら、介護の現場を熟知しているからこそ、サービスの質を左右するのはスタッフ一人ひとりの人間性だと実感しているからです。そのため「自分の親を安心して任せられるパートナーかどうか」という観点で採用基準を設け、必ず直接面談を行い、その人柄や誠実さを丁寧に確認しています。
また、ヘルパー一人ひとりの得意な介護・生活支援スキルを詳細に把握し、独自システムでヘルパーをクラウド管理する仕組みを採用しています。これにより、車椅子介助や食事介助など、ニーズに合致したヘルパーを迅速かつ正確にマッチング。急な依頼にも柔軟に対応可能です。
採用後も、レポートによるフィードバックや研修でヘルパーのスキルアップを支援するなど、きめ細やかな対応で多くのお客様からリピート採用されています。
介護事業者を選ぶ際には、ご本人とご家族の状況に合わせて質の高いサービスが受けられるかが大切なポイントです。
介護保険外サービスの費用について
介護保険外サービスの費用は、事業者や地域、サービス内容、利用時間などによって大きく異なります。介護保険サービスと違って全額自己負担になるため、複数の事業者から見積もりを取り、無理のない費用負担でサービスを組み合わせることが大切です。
自治体の支援制度や助成金の活用
一部の地域では、介護保険外サービスの利用に対して、自治体から助成金が支給される場合があります。また、配食サービスや外出支援サービスなど、自治体独自の高齢者福祉サービスが提供されているケースもあり、これらの自治体支援制度を利用することで、介護保険外サービスの費用負担を軽減できる可能性があります。お住まいの自治体に支援制度や助成金の有無について確認してみることをおすすめします。
介護保険外サービスはこんな方におすすめ
介護保険外サービスは以下のような方々にとって特におすすめの選択肢です。
介護保険の認定を受けていない方
介護保険は原則として要介護認定を受けた方が対象ですが、介護保険外サービスは認定の有無にかかわらず利用できます。そのため、介護予防や健康維持、趣味活動や社会参加を目的としてサービスを利用したい元気な高齢者の方にもおすすめです。
また、介護保険を申請してから介護認定が下りるまでの間に介助が必要な場合も、介護保険外サービスは有効です。介護認定が下りるまでには、通常1~2ヶ月の期間を要しますが、その間、家族がすべての介護を担うのは大きな負担がかかります。速やかにサービスを受けられる介護保険外サービスを利用しながら介護認定を待つことで、負担を軽減できるでしょう。
介護保険のサービスだけではニーズが満たされない方
早朝や深夜など柔軟な時間帯のサービスや、長時間のサービス、介護保険対象外のサービスを受けたい方には特におすすめです。例えば、入浴の回数を増やしたい、ペットの世話をしてほしい、家族のリフレッシュの時間を作りたいなどさまざまな目的で自由に利用できます。
家族の介護負担を軽減したい方
入浴や排泄介助など、負担が大きく時間のかかる介助を専門的なスタッフに任せることで、ご家族の身体的な負担を軽減できます。また、夜間の頻繁な排泄介助や家事などを依頼すれば、ご家族の睡眠時間の確保や介護と家事の両立による疲労を軽減できるでしょう。
まとめ
介護保険外サービスは、利用者や家族の多様なニーズに応えるための重要な選択肢のひとつです。信頼できる事業者を選び、適切なサポートを受けることで、利用者は自分らしく豊かな生活を送ることができ、家族の介護負担も軽減されます。
クラウドケアでは、映画館やカラオケ、フィットネスジム、旅行の付き添いなどあらゆるニーズに柔軟に対応しています。手続きはインターネットで簡単に完了し(難しい場合は電話でも手続きが可能)、当日1時間前の急な依頼も、24時間365日依頼できるのが強みです。また、当社に在籍するヘルパーは、弊社が一人ひとりに直接会って面談を行い、人間性とスキルを詳しく把握しています。利用者のニーズに応えられるような管理システムを整えているため、ご本人とご家族の希望に合ったスキルを持つヘルパーを正確にマッチングできます。
本人とご家族にとって適切な介護保険外サービスを活用することで、より快適で質の高い生活を実現できるでしょう。
介護保険外だからいつでも、なんでも相談できる