こんにちは、けあむすび編集部です。
今回は、介護保険外サービス「Crowd Care(クラウドケア)」でリハビリスタッフとして活躍されている 宇佐美 希未佳(うさみ きみか)さん にお話を伺いました。
【保険外の自費リハビリサービス_スタッフインタビュー#1】
宇佐美さんは 作業療法士(リハビリテーションの専門職) として病院勤務や地域での訪問リハビリを経験し、アスリートから傷病を抱える方まで幅広い支援を行ってきました。
現在はフリーランスとして活動しながら、リハビリテーション・教育事業・研究活動に加え、副業としてクラフトジン「養足GIN / YOUSOKU GIN」 を販売するなど、多彩な分野に挑戦しています。
さらに、『できるセラピストと言われるために3年目までに知っておきたい115のこと』をはじめとする数々の出版物で執筆や取材協力を行い、一般社団法人 足の番人の理事なども務めています。
特に「足」のリハビリに強みをもち、講演などを通じてその重要性を発信し続けるスペシャリストです。
そんな宇佐美さんが取り組んでいるのが、保険制度の枠を超え、一人ひとりの生活に寄り添う“自費リハビリサービス”。
今回は、リハビリに込める想いや、制度にとらわれない支援のあり方についてお話を伺いました。
- 原点は、祖父母との思い出
- “その人の生活”に合わせたゴール設定を
- 制度の限界を感じ、クラウドケアに出会う
- メッセージ機能が、思いを深く知るきっかけに
- 保険外サービスならではの魅力
- “第2の人生”を歩むためのリハビリ
- 制度の狭間にいる“リハビリ難民”へ
- 最後に、読者へのメッセージ
原点は、祖父母との思い出
── はじめに、リハビリの世界に興味を持ったきっかけを教えてください。
祖母がパーキンソン病を患っていて、祖父が献身的に支えていました。
日向ぼっこをしながら、祖母の髪をやさしくとかす祖父の姿がとても素敵で、子どもながらに「人を支えるってすごく尊いことだな」と感じたのを覚えています。
その記憶がずっと心に残り、「人を支える仕事がしたい」と思うようになりました。
看護師も考えましたが、医療行為よりもその人の生活に寄り添う支援の方が自分には合っていると感じ、作業療法士の道を選びました。
“その人の生活”に合わせたゴール設定を
── リハビリを行ううえで、心がけていることは?
機能回復はもちろん大切ですが、それ以上に「その方の生活の質(QOL)をどう高められるか」を意識しています。
「今どんな暮らしをしていて、どんな暮らしに戻りたいのか」。
そこを一緒に考え、ゴールを設定することが一番大切です。
病院内のリハビリでは、お風呂やトイレの練習も設備内で行うしかありません。
でも実際の生活空間は一人ひとり違います。
だからこそ、生活の場でリハビリを行う訪問スタイルに自然と惹かれていきました。
制度の限界を感じ、クラウドケアに出会う
── クラウドケアを知ったきっかけ、登録された理由を教えてください。
訪問リハビリの現場でずっと感じていたのが、「制度の枠では応えきれない声がある」ということです。
保険内サービスには120分の上限があったり、セラピストを自由に選べなかったりと、現場での自由度には限界があります。
「もっと続けたい」「信頼できるセラピストとじっくり取り組みたい」。
そんな声をいただくたびに、「本当はもっと寄り添えるのに」と歯がゆさを感じていました。私自身も“もっと柔軟に支援したい”という想いがありました。
そんなときにクラウドケアの存在を知り、「チャレンジしてみたいな」と思いました。
保険制度に縛られないぶん、利用者さんの“こうしたい”に応えられる余白がある。セラピスト自身の働き方も柔軟で、選んでいただける責任感とやりがいがあります。
これまで見えていなかった支援のかたちが、ここにはある。と感じ、登録しました。
メッセージ機能が、思いを深く知るきっかけに
── クラウドケアで印象的だったことはなんですか?
メッセージ機能は本当に便利で助かっています。
マッチング後、サービス提供の前後に一定期間、個別チャットでやり取りできる仕組みがあり、ご本人はもちろん、ご家族からも「こんな目標で進めてほしい」「こういうことに悩んでいる」といった相談を直接いただけます。
あるとき、支援が終わった後に「実は、こんなこともやりたかった」とメッセージで伝えてくださった方がいました。対面では言いづらいことも、メッセージなら伝えてもらえる。
それを次回の支援に活かせるのは、とてもありがたいです。
「こんなに親身にしてくれるとは思わなかった」と言われたときは、本当にうれしかったですね。
保険外サービスならではの魅力
── 保険外サービスならではのメリットは?
「選べること」が一番の魅力です。
リハビリの専門職にも得意分野や学んできた背景がありますが、保険内では担当を選べません。クラウドケアなら、自分に合ったセラピストを選べます。
また、時間の制限がないぶん「もう少し続けたい」という希望にも応えやすいです。
“第2の人生”を歩むためのリハビリ
── 自費リハビリは、どんな方に向いていると思いますか?
たとえば、骨折や脳梗塞を経験された方で「病院でのリハビリは終わったけれど、もっと続けたい」という方。
あるいは、要支援の方で保険内の短いリハビリでは物足りない方にも合っていると思います。マンツーマンでじっくりサポートできますし、予防的にジム感覚で活用していただくのもお勧めです。
制度の狭間にいる“リハビリ難民”へ
── 制度の狭間でリハビリを受けられない方も多いと聞きます。
いわゆる「リハビリ難民」と呼ばれる方々は、現実に少なくありません。
たとえば介護保険の対象外のご年齢の方や特定疾病に該当しない場合、医療保険によるリハビリもケガをしてから最大180日で打ち切られてしまいます。
脳梗塞で片麻痺が残った方や、交通事故で大けがを負った若い方でも、期限を過ぎれば「もうリハビリは受けられない」とされてしまう。
実際には「まだ続けたい」「もっとよくなりたい」と感じている方が多いのに、その声が制度の壁に阻まれてしまうのです。
だからこそ、保険に頼らずリハビリを続けられる“自費リハビリ”という選択肢は、とても大きな意味を持つと思います。
リハビリは制度の期限で終わるものではなく、生活や人生の質に寄り添いながら、必要なだけ続けていくもの。
もっと多くの方に「自費で継続できる仕組みがあること」「自分に合ったリハビリを選べること」を知ってほしいと思います。
最後に、読者へのメッセージ
病気や障がいで体が不自由になると、どうしても気持ちが沈んでしまうことがあります。
もし「このままではなく、少しでも前に進みたい」と望んだとき、そこから “第2の人生” をどう歩んでいくか が大切になります。
その一歩を、私はリハビリを通して支えていきたいと思っています。
保険制度にとらわれず、あなたのペースで続けられるリハビリを、一緒につくっていきましょう。
日々の生活が少しずつでも快適になるよう、お手伝いできれば幸いです。
宇佐美さんの言葉からは、「制度を超えて、目の前の人にどう寄り添うか」という強い信念が伝わってきました。
“機能回復”だけでなく“生活の質(QOL)”を支える。
その本質を、理論だけでなく現場での対話を通じて追求し続ける姿勢に、深く感銘を受けました。
支援のかたちは人の数だけあり、回復のペースも人それぞれ。
宇佐美さんのように、一人ひとりの人生に伴走するリハビリのあり方は、これからの時代にますます必要とされていくのではないでしょうか。
(聞き手:けあむすび編集部 高橋)
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