こんにちは、けあむすび編集部です。
今回は、さまざまな「介護用品（福祉用具）」について、学んでいきます。
年齢を重ねたり、病気や障がいによって身体に不自由が生じたりすると、歩くことに不安や困難を感じる方が増えます。段差でつまずきやすくなった、長時間立っていられない、外出が億劫になったなど、移動の不安は日常生活の質を大きく左右しかねません。
そんな悩みを支えてくれるのが、車椅子・杖・歩行器・歩行車・シルバーカーなどの移動補助用具（介護用品・福祉用具）です。これらの用具は、本人の身体状況や使用環境に応じて選ぶことで、安全な移動と自立支援を実現します。
この記事では、それぞれの用具の特徴や違い、選び方のポイントまでをわかりやすく紹介。「どれを選べば良いかわからない」という悩みの解消だけでなく、介護保険の利用可否も合わせて解説します。
移動に伴う介護用品（福祉用具）とは？
移動に伴う介護用品（福祉用具）とは、高齢者や障がいのある方、術後・ケガの回復期にある方などが、日常生活の中で安全かつ安定して移動できるよう支援する用具です。歩行時のバランスをサポートしたり、体を支えたりすることで、転倒のリスクを軽減し、安心して移動できる環境を整えます。これらの用具は、利用者のQOL（生活の質）向上や自立支援、さらに介護者の負担軽減を目的としているのが特徴です。
福祉用具の中には、介護保険の給付対象となるものもあります。条件を満たせば、レンタル費用や購入費用の一部が補助されるため、自己負担を抑えて利用が可能です。なお、購入の場合は、一旦全額を自己負担し、申請後に自己負担額（1～3割）を除いた金額の払い戻しを受ける償還払い方式となっており、年間で支給される上限額は10万円までと定められています。
また、介護保険を利用して福祉用具をレンタルするには、要介護認定を受け、ケアマネジャーが作成する「ケアプラン」に基づいた利用が必要です。ケアプランなしに、個人でレンタル事業者と契約した場合は介護保険の給付対象外となり、全額自己負担になるため注意が必要です。
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福祉用具 |
主な対象者 |
特徴 |
保険適用 |
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車椅子 |
歩行が困難な方 |
長距離移動が可能 |
レンタルのみ可 |
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杖（単点・多点） |
自力歩行が可能な方 |
手軽・軽量で扱いやすい |
レンタル・購入ともに可（一部の単点杖、多点杖のみ） |
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歩行器 |
リハビリ中の方、歩行が不安定な方 |
高い安定性があり、屋内での使用に適する |
レンタル・購入ともに可 |
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歩行車 |
歩行が不安定な方 |
ブレーキ付きで安全性が高く、屋外利用も可能 |
レンタル・購入ともに可 |
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シルバーカー |
自立歩行が可能な方 |
座面付きで休憩可能、買い物かごなどの収納機能あり |
原則として対象外 |
移動に伴う介護用品（福祉用具）の種類と概要
移動を補助する介護用品（福祉用具）には、利用者の筋力やバランス、疾患の有無などの身体状況や、使用環境に応じたさまざまな種類があります。移動能力の低下は、転倒や外出困難の原因となるため、適切な用具を選ぶことは、安全の確保や自立支援においてとても重要です。
主な移動用具には、重度の歩行困難者向けの車椅子、軽度の不安定歩行に適した杖、室内で身体を支える歩行器、屋外向けの歩行車、そして日常の外出や買い物に便利なシルバーカーなどがあります。
ここからは、それぞれの用具について、種類や特徴、利用対象者、選び方、介護保険の利用条件などを詳しく解説していきます。
車椅子
車椅子には手動式と電動式があり、手動式はさらに自走式と介助式に分けられます。また、使用環境に応じて屋内向け・屋外向けなど選択肢が豊富です。
車椅子の種類・特徴
車椅子にはさまざまな種類があり、利用者の身体状況や生活環境に応じて選ぶことが、安全な移動と日常生活のQOL（生活の質）の向上につながります。
自走式車椅子
利用者自身がハンドリムをこいで操作するタイプで、介助者が後ろから押すこともできます。レッグサポートを外して足でこぐことも可能です。
介助式車椅子
介助者が背面のハンドルを押して操作します。自走式より後輪が小さく軽量で、持ち運びや車への積み込みをしやすいのが特徴です。
電動車椅子
手元のレバーやボタンで操作できる電動モーター付きの車椅子です。筋力の弱い方や長距離移動が難しい方に適していますが、バッテリー搭載のため重量があります。
ティルト・リクライニング車椅子
座面や背もたれの角度を調整でき、体圧が分散できるので褥瘡（床ずれ）予防に有効です。長時間使用する方や姿勢保持が困難な方におすすめ。
モジュール（モジュラー）車椅子
座面幅や高さ、アームレストなどを調整でき、体型や身体状況の変化に柔軟に対応できます。
車椅子の利用対象者とは
車椅子の利用対象者は、短期的な利用から長期・恒久的に必要な方まで多岐にわたります。代表的な対象者は次のような方です。
- 高齢による筋力低下や歩行困難のある方
- 骨折や手術後の一時的な移動制限がある方
- 脳卒中などの後遺症で麻痺がある方
- 筋ジストロフィーやALS（筋萎縮性側索硬化症）など、進行性疾患のある方
- 生まれつき、または事故・病気による身体機能障がいのある方
車椅子の選び方
車椅子を選ぶ際は、身体状況・使用環境・利用頻度に合わせた選択が重要です。
まず、自力で操作できる方には自走式が適しており、自立支援にもつながります。一方、操作が難しい場合は介助式、体力に不安がある場合は電動車椅子という選択が良いでしょう。また、長時間の使用や姿勢保持が困難な方には、体圧分散に効果的なティルト・リクライニング機能付きがおすすめです。そして、モジュール型は体型や状態の変化に応じて細かな調整が可能で、長く快適に使えます。
加えて、使用場所にも注意が必要です。屋内では小回りの利くタイプ、屋外では安定性の高いタイプ、車への積み込みが多い場合は軽量で折りたたみ可能なタイプが便利です。さらに、フィッティングも非常に重要なポイント。座面の幅・奥行き・高さ、レッグサポートやアームサポートの調整によって、快適性や正しい姿勢が大きく左右されます。
最後に、車輪の大きさやフレーム素材にも注目しましょう。車輪が大きければ段差に強く、小さいと小回りが利きます。フレームは、アルミ製なら軽量で持ち運びやすく、スチール製は重いですが丈夫さや安定感があり、室内利用に向いています。
車椅子の購入・レンタルと介護保険の利用条件
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比較項目 |
レンタル |
購入 |
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介護保険の適用 |
○（対象） |
×（対象外） |
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対象者 |
一時的な利用や、状況の変化が見込まれる方 |
長期利用が前提の方、使い慣れた車椅子を継続使用したい方 |
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初期費用 |
少ない（自己負担は1～3割） |
高額になりやすい（数万円～十数万円） |
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維持管理 |
メンテナンスはレンタル会社が対応 |
利用者自身が管理・修理対応が必要 |
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用具の変更 |
状態に応じて変更しやすい（レンタル会社に相談可） |
買い直しが必要な場合もある |
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利用の柔軟性 |
状況に応じて短期〜中期で変更可能 |
長期間使用することを前提とした選択 |
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注意点 |
長期間使用すると総額が高くなる場合あり |
長期的にはコストを抑えられるケースもある |
車椅子の利用方法には、レンタルと購入の2通りがあります。介護保険は原則レンタルに適用され、要介護2以上が対象です。ただし、歩行困難であればそれ未満でも利用できる場合があります。レンタルは自己負担が1〜3割と低く、初期費用を抑えられるのがメリットです。メンテナンスも業者に任せられ、身体状況の変化に応じて用具の変更も柔軟に対応できるのが魅力。とはいえ、長期使用を前提とする場合は、購入の方が結果的に安くなることもあります。
杖
杖は歩行時の安定を補助し、足腰の負担や転倒リスクを軽減する福祉用具です。T字杖、松葉杖、単点杖、多脚杖（多点杖）、ロフストランドクラッチなどがあり、それぞれ特性が異なります。使用者の身体状況や生活環境、必要な安定性や腕への負担を考慮して、適切な杖を選ぶことが大切です。
杖の種類・特徴
杖には、折りたたみ式や長さ調整ができるものなど多様なタイプがあり、携帯性や体格に応じて選べます。
単点杖
先端が1点で接地する一般的な杖で、自力歩行が可能な方に適しています。T字杖、ロフストランドクラッチ、松葉杖もこのタイプです。
- 【T字杖】
最も一般的で、軽量で扱いやすく、日常の移動に適しています。
T字杖 - 【ロフストランドクラッチ】
前腕で支えるタイプで、安定性が高く、麻痺や筋力低下のある方に向いています。
ロフストランドクラッチ - 【松葉杖】
脇で支えるタイプで、ケガや術後など片脚に体重をかけられない場合に使われます。
松葉杖
多点杖（多脚杖）
先端が3〜4点に分かれており、接地面が広く安定性に優れているため、歩行が不安定な方に適しています。
杖の利用対象者とは
杖は歩行を安定させ、足腰の負担を軽減し、転倒を予防するための福祉用具です。以下のような方が主な対象となります。
- 高齢による足腰の筋力低下やバランス機能の低下が見られる方
- 膝や腰に痛みがある方
- 骨折などのケガや手術後で一時的に歩行が不安定な方
- 脳卒中の後遺症やパーキンソン病など、神経疾患による運動障がいのある方
- 下肢に軽度の麻痺があり、両手または片手で支持が必要な方
杖の選び方
杖を選ぶ際は、使用者の身長や歩行バランス、握りやすさを考慮することが重要です。身体に合った杖は、自然な歩行をサポートしてくれます。軽量で扱いやすいものを選ぶと良いですが、耐久性とのバランスも大切です。また、使用シーン（屋内・屋外）や身体機能に合った形状を選びましょう。デザインや色、グリップ素材なども使用意欲につながるため、好みに合ったものを選ぶこともポイントです。
杖の購入・レンタルと介護保険の利用条件
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比較項目 |
レンタル |
購入 |
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介護保険の適用 |
○（対象） ※多点杖、松葉杖、クラッチ杖 |
○（対象） ※クラッチ系の単点杖と多点杖に限られる |
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対象者 |
状況の変化が見込まれる方、短期間の使用が想定される方 |
長期使用を見込む方、自分に合った杖を使いたい方 |
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初期費用 |
少なく済む（自己負担1～3割） |
種類により数千～数万円程度 |
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維持管理 |
レンタル会社が対応 |
自己管理（必要に応じて修理・交換） |
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用具の変更 |
状況に応じて変更可 |
買い替えが必要 |
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利用の柔軟性 |
手軽に試せる、短期でも使いやすい |
好きなデザインや形状を選べる自由あり |
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注意点 |
すべての杖が対象ではない（T字杖は対象外） |
保険適用の範囲を事前に確認する必要あり |
2024年度の制度改定により、杖も介護保険でレンタルまたは購入が可能になりました。
保険適用の対象はロフストランドクラッチなどのクラッチ系単点杖と多点杖に限られます。長期使用や安定性を求める方は購入、自分に合う杖を柔軟に試したい方はレンタルが適しているかもしれません。ただし、T字杖は保険対象外のため注意が必要です。
歩行器・歩行車
歩行器・歩行車は、歩行に不安がある方の移動を支える補助用具です。歩行器は安定性重視で、車輪のない固定型や交互型、前輪のみの車輪付きなどがあります。一方、歩行車は4輪すべてに車輪が付き、ブレーキ機能もあるため、移動性や操作性に優れているのが特徴です。一般には「車輪なし＝歩行器」「車輪付き＝歩行車」とされますが、分類はメーカーや地域によって異なることもあります。
歩行器・歩行車の種類・特徴
歩行器は室内や短距離の安定した歩行補助に適しており、歩行車は屋外での長距離や段差の乗り越えに適しています。自分の用途や状況に合わせて適切なタイプを選ぶことで、より安全で快適な歩行をサポートします。
歩行器
歩行器は左右と前方を囲むコの字型ハンドルで、使用者が内側に入って体を預けて使うため、非常に高い安定性があります。全体を持ち上げて進む「固定型」、左右交互に動かす「交互型」、前脚に車輪がある「前輪歩行器」、4輪すべてに車輪がある「四輪歩行器」があり、状況に合わせて使用するタイプを選ぶと良いでしょう。固定型は特に安定しますが腕力が必要で、交互型はやや慣れが必要です。前輪歩行器は部分的に持ち上げて移動し、四輪歩行器はスムーズに動かせます。
歩行車
歩行車はすべての脚に車輪が付いており、ハンドル型は段差が乗り越えやすく屋外移動に適しています。滑らかな移動が可能な一方、安全な使用にはブレーキ操作の習得が欠かせません。歩行器に比べて移動性・操作性に優れ、ブレーキ機能が備わっていることが多いです。ハンドル型は左右のグリップで安定した歩行と方向転換がしやすく、馬蹄型はU字ハンドルに前腕を乗せて体重を支えるため、筋力や握力が弱い方にも使いやすい設計。
歩行器・歩行車の利用対象者とは
歩行器・歩行車は、筋力やバランス機能が低下し、杖では不安定だが車椅子は必要ない方に適した移動補助具です。安全な歩行をサポートすることで、転倒の不安を軽減し、自立した生活を支えます。屋内では安定性の高い歩行器、屋外では操作性に優れた歩行車の利用が効果的です。特に、持ち上げ式歩行器の操作が難しい方には、四輪すべてに車輪が付いた歩行車がスムーズな移動を可能にします。
歩行器・歩行車の選び方
歩行器や歩行車を選ぶ際は、使用者の筋力やバランス機能、腕力、身長、体格、歩行スピードなどの身体状況を十分に考慮することが重要です。使用環境も選定の大きなポイントで、屋内中心であれば軽量で小回りの利く固定型、屋外では段差や長距離移動に対応しやすいブレーキ付き四輪タイプが適しています。車輪付きは軽い力で動かせる反面、不意に動くリスクもあるため、ブレーキ機能や操作性をしっかり確認することが、安全で快適な歩行につながります。
歩行器・歩行車の購入・レンタルと介護保険の利用条件
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比較項目 |
レンタル |
購入 |
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介護保険の適用 |
○（対象）
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○（対象）
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対象者 |
・短期間の使用や、身体状況が変わる可能性のある方 |
・長期間の使用が見込まれる方 ・自分に合った用具を継続的に使いたい方 |
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初期費用 |
月数百～数千円（1～3割負担） |
数千円～数万円・数十万程度
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維持管理 |
レンタル会社が対応 |
修理・調整は自己負担 |
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用具の変更 |
身体状況に応じて柔軟に変更可能 |
必要に応じて買い直しが必要 |
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利用の柔軟性 |
・短期～長期利用に対応 ・状態の変化に合わせて他用具へ切り替え可能 |
一度購入すると変更が難しいが、自分に合った製品を長期使用可能 |
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注意点 |
・歩行補助目的の用具のみ介護保険対象
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・償還払いなので一時的に全額支払いが必要 |
歩行器・歩行車は、介護保険を利用することで低価格でレンタルが可能です。修理やメンテナンスは業者が対応してくれるため、費用・管理の面からもレンタルがおすすめです。
ただし、レンタルは「歩行補助」を目的とすることが条件で、用途によっては対象外となる場合があります。購入の場合は償還払いとなり、一度全額を支払ったうえで、費用の7～9割が支給されます（年10万円までが上限）。身体状況の変化が予想される方はレンタル、長期的に使用する方は購入が適しています。
シルバーカー
シルバーカーは、歩行に問題がない方を対象とした歩行補助具で、歩行に不安がある方には適していません。主に買い物時の荷物運搬や休憩用の椅子として使われ、移動の負担を軽減しつつ行動範囲を広げるのに役立ちます。安定感や安心感が得られることで、外出への意欲も高まります。
シルバーカーの種類・特徴
シルバーカーにはさまざまな種類があり、用途や好みに応じて選べます。安定感と座り心地に優れた大型のボックスタイプ、軽量で持ち運びやすいコンパクトタイプ、両者の中間サイズでバランスの良いミドルタイプ、前後左右どちらからでも押せるショッピングカート、大きな荷物に便利なワゴンタイプなどがあります。
シルバーカーの利用対象者とは
シルバーカーは、自力で歩けるものの、長距離の移動や買い物で疲れやすい高齢者に適しています。荷物運びや途中での休憩にも便利で、杖より安定感が欲しいが、歩行器を使うほどではない方に向いています。なお、歩行が不安定で体をしっかり支える必要がある場合は、歩行器や歩行車のほうが適しています。
シルバーカーの選び方
シルバーカーを選ぶ際は、ブレーキの使いやすさやハンドルの高さといった操作性、安定性、収納力、サイズに注目しましょう。軽さや持ち運びやすさを重視するならコンパクトタイプ、安定性を重視するならやや重めでダブルキャスター仕様のものがおすすめです。外出中に休憩したい方は座面の有無や座り心地も確認しましょう。また、交通機関の利用頻度や自宅の収納スペースなど、生活スタイルに合ったタイプを選ぶことが大切です。
シルバーカーの購入・レンタルと介護保険の利用条件
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比較項目 |
シルバーカー |
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介護保険の適用 |
×対象外（自力歩行が前提のため） ※自治体によっては補助金支給あり |
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購入方法 |
福祉用具販売店・ホームセンター・介護用品通販などで購入可能 |
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レンタルの可否 |
介護保険を使ったレンタル不可 |
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注意点 |
・介護保険が使える「歩行器」「歩行車」と混同しないこと |
シルバーカーは自力歩行が可能な高齢者向けの福祉用具で、介護保険のレンタルや購入対象にはなりません。介護保険は歩行器や歩行車など、歩行が不安定な方向けの補助具に適用されます。
ただし、自治体によってはシルバーカー購入費用の補助金制度があるため、必ずお住まいの市区町村の情報を確認しましょう。
まとめ
移動補助具は、使用目的だけでなく筋力やバランス、関節の可動域などを評価し、身体状況や使用環境に合ったものを選ぶことが重要です。介護保険を活用すれば費用負担を軽減でき、状況に応じて複数の用具を使い分けることもできます。そのため、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員、理学療法士など専門家と連携し、自分に合った用具を見つけましょう。
今回は、移動を支える福祉用具についてご紹介しましたが、外出に不安がある方には、クラウドケアの外出支援サービスもおすすめです。通院や買い物、余暇、旅行の付き添いなど多様なサポートが受けられます。移動福祉用具はもちろん、クラウドケアの外出支援サービスを活用し、「外出を我慢する」生活から「行きたい場所へ出かける」生活へ、無理のないペースで外出機会を増やしてみてはいかがでしょうか。クラウドケアがしっかり支援します。
介護保険外だからいつでも、なんでも相談できる
