こんにちは、けあむすび編集部です。
今回は、介護保険外サービス「Crowd Care(クラウドケア)」で、ヘルパーとして活躍をする松田さん(仮名)にインタビューを行いました。
松田さんは、介護職と、リハビリ職のふたつの専門性を活かしながら、多様な現場で活躍されています。
松田さんがクラウドケアでヘルパーに応募したきっかけや、働きがいなどをお聞きしました。
【介護保険外の自費サービス ヘルパーインタビュー#7】
▼前回のヘルパーインタビューはコチラ▼
️介護の道へ進んだきっかけ、自分らしい働き方を求めて
―――介護の仕事をはじめたきっかけを教えてください。
私は、最初から明確に『介護の仕事がしたい!』という感じではなかったんです。
なにになりたいか分からなかった時期に、家庭教師の先生から『これからは介護職の需要が高まる』と教えてもらって。
そこから興味を持ち、高校を卒業後に介護福祉士の専門学校に入学しました。
その後、四年ほど介護福祉士として働いたあと、結婚、出産を機に一度離職をしました。
育児をしながら進路を考え、夜勤の仕事は難しいと思い、子どもが二歳のときに、作業療法士(OT)の学校に入学し、資格を取得しました。
ですので、現在は、介護福祉士と、作業療法士としての二つの自分がいます。
いろんな経験が今に繋がってるなって思います。
―――現在の働き方を教えてください。
現在は、週5日、病院に勤務をしながら、週1回、有料老人ホームでリハビリの仕事をしています。
こちらは、いわゆるパートやアルバイトではなく、業務委託契約というかたちです。
その他、余裕があるときに、クラウドケアで仕事をしています。
自分で働き方を選べるのが大きなメリットですね。
業務委託契約で働くと、給与所得ではなく事業所得になります。経費も使えるし、自分の学びに投資しやすいんです。
―――業務委託という働き方にこだわった理由を教えてください。
やっぱり、“自分の意志で働き方を選びたい”というのが一番大きかったです。
子育てしながら働く中で、雇用される働き方だと、時間の制約や職場の都合に合わせないといけない場面が多かったんですよね。
でも業務委託なら、仕事の量もスケジュールも自分でコントロールできる。自分の時間や家庭とのバランスを取りながら、専門職としてのやりがいも諦めずにすむんです。
あとは、純粋に“プロとしてやっていきたい”という気持ちもあります。
自分で契約して、自分の名前で責任を持って仕事をする。
だからこそ、ひとつひとつの現場に対して真剣に向き合えるし、信頼も得られるように努力するようになります。
そういう環境の方が、自分自身の成長にもつながると思っていて。
自由さと責任が両立しているのが、私にはすごく合っているんです、
家族との時間も大切にしたいし、でも自分の専門性も活かして働きたい。
そう思ったときに、“雇われる”以外の働き方、業務委託というかたちが合っていたんです。
―――クラウドケアでも、自費訪問リハビリサービス(https://www.crowdcare.jp/services/rehabilitation/)を開始しました。
はい、私も作業療法士のリハビリスタッフとして、早速登録させていただきました。
自費での訪問リハビリサービスはまだまだ珍しいと思います。
これから、広がっていってほしいですね。
▼クラウドケアの自費訪問リハビリサービスのインタビュー記事▼
地域に“リハビリ”の選択肢を——脳梗塞リハビリステーション・グループとクラウドケアが描く新しい支援のかたち#2 - 介護専門メディア「けあむすび」
️介護とリハビリ、それぞれの支援のちがい
―――介護とリハビリ、両方の現場を経験されてきて、どんな違いを感じますか
介護は、“できないことを代わりにやる”というスタンスが多いと思うんです。
でもリハビリは、“できるようにするための支援”なんですよね。
そこがまったく違います。
例えば、立ち上がる動作が難しい方がいたとして、介護では『代わりに支えてあげよう』になりますけど、リハビリでは『どうすれば自分で立ち上がれるか』を一緒に探すんです。
“なぜできないのか?”を分析するところがリハビリのポイントです。
筋力なのか、感覚なのか、心理的な要因なのか。
原因を丁寧に見つけていって、そこを刺激していく。そうすると少しずつでも“できる”が増えていくんです。
️利用者さんの"できる"を見つける視点
―――リハビリの視点があると、介護にも良い影響がありそうですね。
まさにそうなんです。リハの経験があると、『この方、本当はもう少しできるかも』って思えるんですよ。
だから、“やってあげる”のではなく、“一緒にやってみる”という関わり方ができるようになります。
利用者さんが少しでも自立できれば、ご家族の介護負担も減りますし、ご本人の自信にもつながります。
だから私は、“できる力”を引き出すことをとても大事にしています。
「介護」のときは、「リハビリ」の視点。
「リハビリ」のときは、「介護」の視点。
それぞれ持って利用者さんと関わることで、私にしかできないケアができていると思います。
―――ご自宅への訪問介護や訪問リハビリならではの気づきもありますか?
実際におうちにおじゃますると、その方の生活がよく見えるんです。
病院でプランを立てるときって、どうしても想像ベースになりがち。
でも、現場に行けば“今ここで何が困っているか”がわかる。だからこそ、現場から得られる視点はすごく大事だと思っています。
また、ご家族とお話しする機会もありますね。“どういった施設が良いのか” “家でのケアはどうしたらいいか”など、いろいろなお話をいただきます。
私の知ってる範囲にはなりますが、その方に合った選択肢を一緒に探すようにしています。
―――ありがとうございました。最後に、松田さんが、日々のお仕事で、大切にしていることを教えてください
“その人らしく暮らせること”を支えるのが、介護やリハビリの役割だと思っています。
だから私は、目の前の人がどんな生活を望んでいるのか、その人の『やりたい』や『できる』に注目するようにしています。
“できること”が少しずつ増えると、ご本人も嬉しいし、周りの人の気持ちも変わってきます。
介護って、誰かの人生に寄り添うことなんだなって日々感じています
また、将来的には、施設選びや在宅ケアに悩むご家族に向けたアドバイスができるような立場になれたらと思っています。
あと、ゆくゆくは子ども支援にも関わっていきたいなと……自分のペースで、でも人に寄り添うことはずっと続けていきたいです。
️現場だから見えること、伝えられること
介護とリハビリ、ふたつの視点をもって現場に立ち続ける松田さん。
その柔軟な働き方と、利用者さん一人ひとりに真摯に向き合う姿勢は、これからの在宅ケアの未来に確かなヒントを与えてくれそうです。
お話しを聞いている中で、利用者さんの「できることを引き出す」、ケアの新しい視点を知ることができました。
松田さんの今後のご活躍を応援しています。
今回は、介護とリハビリ、ふたつの仕事を強みとして働く松田さんのインタビューをお届けしました。
(聞き手:けあむすび編集部 亀割)
▼前回のヘルパーインタビューはコチラ▼