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サ高住に入居する父の毎週60分のお話相手を探して【介護保険外の自費訪問介護サービス 利用事例12】

こんにちは、けあむすび編集部です。

今回はサービス付き高齢者向け住宅に入居するお父さまの「お話相手のサービス」を探し、介護保険外サービス「Crowd Care(クラウドケア)」を利用する佐野さま(仮名)にインタビューを行いました。

介護保険外の自費訪問介護サービスの利用事例として、公的介護保険との使い分けや利用した感想をお聞きしました。

サ高住に入居する父の毎週60分のお話相手を探して【介護保険外の自費訪問介護サービス 利用事例12】

サ高住に入居する父の毎週60分のお話相手を探して【介護保険外の自費訪問介護サービス 利用事例12】

前回のインタビュー記事はコチラ▼

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者が安心して暮らせる賃貸住宅です。
バリアフリー設計が施され、安否確認や生活相談などのサービスが提供されます。
外部の事業所と連携して、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを受けられるという特徴があります。
特別養護老人ホームなどの介護施設とは異なり、比較的自立した高齢者を対象としており、自由な生活を維持できるのが特徴です。
さらに、希望に応じて食事サービスを利用できる施設もあり、栄養バランスの取れた食事を提供しているところもあります。

部屋の中ではテレビを見てばかり、退屈そうな父へ心地よい時間を提供する保険外の自費介護サービス

昔旅行したシルクロードの思い出を話す佐野さま

昔旅行したシルクロードの思い出を話す佐野さま

ーー佐野さまについて教えてください。

 

父はアルツハイマー型の認知症で、要介護度は1です。
前までは自宅で私と二人で暮らしていました。
朝にデイサービスへ送り出し、夕方5時には帰宅しますが、私が仕事から帰宅するのは夜8時や9時のため、その間は父が一人で過ごす状況でした。

次第に買い物やつくった料理に違和感を覚えるようになり、さらにストーブで危うく火事になりかけたことがきっかけで、2020年ごろにサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)へ入居を決めました。

サ高住では、24時間365日、食事や医療のサポートを受けることができますが、自立に重きをおいている関係でレクリエーションなどの活動はなく、父は部屋でテレビを見て過ごすことがほとんどです。
そのため、より充実した時間を過ごしてもらえる方法を探し、介護保険外の自費訪問介護サービスの利用を考えました。

現在、父は週4回のデイサービスを利用しており、3回は朝から夕方まで、1回は午前中のみの運動プログラムです。
また、部屋の掃除を週1回依頼しています。
ケアマネジャーからは、公的介護保険の単位はギリギリと言われています。
その他には、訪問医療を月に一度利用しており、医師に診てもらっています。

 

ーー介護保険外の自費訪問介護サービスを利用するまでの経緯を教えてください。

 

父が、施設の部屋で退屈しているのではないかと思ったことがきっかけです。
これまでサラリーマンとして多くの人と接してきた父にとって、部屋の中でテレビを見るだけでなく、誰かと話すことが良いリフレッシュにもなるだろうと思いました。

父は買い物が好きだったので、最初は一緒に近くの商業施設まで出かけるサービスを探そうと考えました。

介護保険外の自費訪問介護サービスをインターネットで検索し、いくつか問い合わせをしましたが、最初に見つけたサービスでは「買い物中の転倒リスクがある方は利用できない」という理由で、お断りされてしまい...

次に問い合わせたクラウドケアでは、事情を説明したところ、問題なく利用できると言ってもらえたので良かったです。

実際にサービスを利用する頃には、父があまり外出をしたがらなくなったため、今では主に話し相手として利用させてもらっています。

 

ーークラウドケアではどんなご依頼をされているのですか?

 

毎週水曜日の午前中に1時間、父のもとにヘルパーさんをお願いしています。
ヘルパーさんには、施設の受付で事情を伝えてもらい、施設スタッフとともに父の部屋まで行ってもらっています。
その後、父と場所を移動し、談話スペースや食堂などで会話をしてもらっています。
はじめて父と会うヘルパーさんの場合は、事前に父のこれまでの経歴や好きなことを簡単にお伝えしています。
ヘルパーさんによっては過去にクラウドケアを利用した報告内容を事前に確認し、父の興味関心があることについて調べ、コピーした紙を持参してくださっていました。
そうした配慮に、ホスピタリティの高さを実感し、驚きましたね。

父はアルツハイマー型認知症を患っており、日々の生活における変化への適応が難しい一面があります。
そのため、「毎週水曜日は誰かが話し相手になってくれる」というリズムを維持することが大切だと考えていて、毎週同じ時間帯で利用しています。
なので、ほぼ毎回マッチングができているのは助かりますね。

表情豊かにヘルパーと話す佐野さま

表情豊かにヘルパーと話す佐野さま

 

ーー公的介護保険サービスと介護保険外の自費訪問介護サービスの使い分けはどのようにされていますか?

 

公的介護保険では利用できない内容をクラウドケアで利用しています。
ちょっとしたお話であれば公的介護保険のサービスを利用している時にできると思いますが、一対一で1時間しっかり話をするのは難しいので。

 

ーーケアマネジャーとは何か連携をされていますか?

 

とくに連携はしておらず、ヘルパーさんからいただく報告についてもケアマネジャーには共有していません。
ただ、施設内でヘルパーさんと会話をしているので、近くを施設スタッフがよく通ったり、一緒に会話をするときもあったりするそうで、ケアマネジャーも状況は把握されていると思います。

父が緊張せずに楽しそうに会話をしている姿がとても印象的でした

サ高住の昼食時間になり、別れ際にお昼ご飯を紹介してくれました

サ高住の昼食時間になり、別れ際にお昼ご飯を紹介してくれました

ーークラウドケアを利用してみていかがでしたか?

 

クラウドケアを初めて利用したときは、どのようにサポートが始まるのか分からず少し不安がありました。
また、施設の方への説明も必要だったので、会社を休んで立ち会うことに。
ですが、最初に来てくださったヘルパーさんがとても丁寧で、優しく寄り添ってくださる姿に驚きと安心を感じたのを覚えています。

私は「1時間の話し相手」としてお願いしていたのですが、「初対面の方と1時間も会話が続くのかな?」と少し心配していました。
途中で脳トレゲームなどをするのかな?と思っていたのですが、ヘルパーさんがとても聞き上手で、会話が自然と弾み、気づけばあっという間の1時間。
父も話すうちに緊張がほぐれたようで、いつの間にか椅子にどっしり座って、楽しそうに会話をしている姿がとても印象的でした。

その後も、さまざまなヘルパーさんとマッチングしながら利用していますが、皆さんとても丁寧に対応してくださいます。

また、クラウドケアの運営面でも、オンラインでのやり取りがとてもスムーズで助かっています。
ヘルパーさんとは直接チャットができるので、細かな希望や調整もしやすく、ストレスなく利用できています。

マッチングについても、スタッフの方がギリギリまで一生懸命探してくださるので、ありがたいなと感じています。
これまで何度も利用していますが、ヘルパーさんが見つからなかったのは1回だけ。
そのときも、最後までしっかり探してくださっていることが伝わってきました。

毎週60分誰かと話すことで入居生活にハリが生まれる

今回は「サ高住に入居する父により充実した時間を過ごしてもらいたい」という要望を介護保険外の自費訪問介護サービスで叶えた事例をお伝えしました。
私も当日同行させていただきましたが、佐野さまのお父さまが楽しそうにヘルパーさんとお話されている様子が印象的でした。
お父さまのふるさとのお話や、ご趣味のお話、いま住んでいる地域の好きなところなど聞かせていただきました。
終始なごやかな雰囲気で私も楽しく、癒される時間でした。

 

今回ご紹介した「施設に入居する親族の話し相手」で利用する、他の利用事例もぜひご確認ください▼

(聞き手:けあむすび編集部 高橋)