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夜勤専従で働いてみよう!夜間に働く介護のお仕事について時給例や仕事内容を紹介

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こんにちは、けあむすび編集部です。

今回は、夜間に働く介護のお仕事について、学んでいきます。

夜間介護を受ける女性と介護士

夜勤専従で働いてみよう!夜間に働く介護のお仕事について時給例や仕事内容を紹介

介護の世界で働く場合、介護施設勤務や訪問介護など、さまざまな働き方があります。
今回はそのなかでも「夜勤」時間帯を専従として働くことについてピックアップしました。

気になる時給や勤務時間、仕事内容について詳しく紹介いたします。

そもそも、夜勤専従とはどういう働き方?

介護職においての専従とは、特定の時間にだけ勤務したり、特定の仕事内容だけに配置されたりすることを指します。つまり「夜勤専従」とは夜勤の時間帯専門で仕事をする働き方になるわけです。

夜勤専従の場合、一般的な勤務時間との違いはもちろん、業務内容やひと月あたりの勤務日数、独自の夜勤待遇の有無、そして給与も日勤と異なります。

まず、夜勤の勤務時間は16時~翌日10時の間で、8時間から16時間勤務のシフトとなることが多いです。施設勤務の場合は日勤と入れ替わりで勤務開始となるため、引継ぎ業務を行ってから業務を開始します。

夜勤が必要な介護施設とは以下のような施設です。

  • 特別養護老人ホーム
  • 有料老人ホーム(介護付き、住居型)
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム
  • 訪問介護事業所(一部) など

現代社会に欠かせない仕事

日本全体が高齢化社会となっている今、夜間介護の重要性がより広く知られてきています。

1人で暮らす高齢者にとって、夜間介護の有無はQOL(Quality of Life)維持のためにとても重要なポイントです。

QOLとは生活の質を指す言葉で、生活していくなかで快適と感じられる生活環境のこと。QOLを維持することで、自分らしく健やかな毎日を送ることができます。また家族で暮らす高齢者の場合、同居家族の不安や負担を軽減し、安心感を与える仕事でもあるのです。

4人に1人が高齢者と言われる現代の日本において、社会全体に必要とされている仕事といえるのではないでしょうか。

日勤と夜勤ではどのような違いがある?

在宅介護受ける高齢者女性と介護士

日勤と夜勤ではどのような違いがあるのでしょうか

介護職の求人には日勤、夜勤それぞれの募集があります。
例えばデイサービスのように日中のみ稼働する施設では、夜勤は営業時間外となるため募集がありません。

特別養護老人ホームなど施設勤務の場合はシフト制を採用し、どちらの時間帯も勤務するケースも多いですが、それぞれ選任として求人募集されることも多い傾向があります。個人宅を訪れる訪問介護の場合、営業時間が日中のみの事業所や、24時間対応で夜勤が必要な事業所もあります。

そのため、自分が働きたい条件に沿っているか、求人をチェックする際には注意することが大切です。夜勤がある事業所の場合、「24時間対応」「夜間対応型」「随時対応型」といった記載があるので、職場選びの際には目安にしてください。

日勤の仕事内容

ここからは日勤と夜勤の仕事について、違いを見ていきましょう。
まずは日勤の仕事内容から紹介します。

施設勤務の場合

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護施設では、施設の中で高齢者が暮らしています。夜勤の時間帯に働く職員がいるため、一日の初めにはまず状況の引継ぎを行うことがほとんどです。引継ぎを行った後は以下のような活動を行います。

  • 健康観察
  • 食事介助
  • 排せつ介助
  • 入浴介助
  • レクリエーション
  • 家族対応 など

レクリエーション活動や家族対応は日勤ならではの業務内容です。

また一般的には夜のイメージが強い入浴も、多くの施設では日勤時間帯に行います。これは日勤のほうが夜勤よりも人手を多く配置していることが理由です。スタッフが多いうちに入浴介助することで、よりスムーズに対応することができます。

最後に夜勤職員に引継ぎをして勤務終了です。

訪問介護の場合

訪問介護の場合、特定の時間に利用者宅を訪問して介護を行います。

決まった時間の中で以下のようなサービスを行うため、スムーズな対応が求められる仕事です。

  • 食事介助
  • 排せつ介助
  • 入浴介助
  • 買い物
  • 調理
  • 掃除・洗濯 など

利用者の生活リズムに応じて必要とされる対応も変わります。

それぞれの家庭で対応が変わるため、臨機応変に動ける判断力も重要です。

夜勤の仕事内容

ここからは夜勤の仕事について紹介します。
日勤との業務内容の違いを探してみましょう。

施設勤務の場合

施設勤務では、まず日勤職員との間で引継ぎを行い、業務がスタートします。

仕事内容は以下の通りです。

  • 健康観察
  • 食事介助
  • 排せつ介助
  • 口腔ケア
  • 着替え介助(就寝、起床)
  • ベッドへの移乗補助 など

日勤と違い、着替えや口腔ケアといった就寝前や起床後の身支度が業務内容に含まれてくるのが特徴です。利用者の就寝後は見守りや体位変換、おむつ交換、トイレ付き添いといった業務が中心となります。

勤務終了時には日勤に情報を引き継ぎ引継ぎ、一日が終わります。

訪問介護の場合

夜勤がある訪問介護事業所では「定期巡回」「随時対応」型の2形態を採用しています。

定期巡回型は勤務時間内の決まった時間に利用者宅を訪問し、必要な介護を行うサービスです。

一方の随時対応型は訪問介護事業所内で利用者からの相談を受け、必要に応じてお宅を訪問し、必要な介護を行います。

夜勤帯の主な業務内容は以下の通りです。

  • 食事介助
  • 排せつ介助
  • 口腔ケア
  • 着替え介助(就寝、起床)
  • 体位交換
  • 緊急時対応

随時対応型の場合、利用者が必要なタイミングでオペレーションセンターを通じてホームヘルパーに依頼できるよう、各家庭に専用端末が配布されているのが最大の特徴です。
基本的な生活を自立して行うことができる状態、または同居家族がいて定期的な巡回は必要ないものの、緊急事態が起きた時に端末から訪問依頼を受け付けます。そのため急な体調不良や転倒など、利用者や家族だけでは対応しきれない状態へのサポートが多くなっています。

夜勤を専従とするメリットとは

夜間帯のイメージ

夜勤を専従とするメリットとは

日勤と違い、勤務時間の多くが利用者の就寝時間となる夜勤帯。
この時間帯に仕事をするイメージができたところで、次はこの時間帯を専従とするメリットについて紹介します。

日勤よりも収入が多い

夜勤最大のメリットは給与の高さです。

介護の仕事は正社員、派遣社員、契約社員、パートとさまざまな契約形態がありますが、どの形態であっても「深夜勤務手当」が付くため、収入アップが見込めます。また多くの方が就寝している時間帯の勤務ということで、そもそもの時給が高いことも多いです。

深夜勤務手当とは?

労働基準法第37条により義務付けられた手当てのことです。

深夜にあたる午後10時~朝5時までの勤務では、基本時給の25%(1.25倍)以上の割増賃金の支払いを行うことが義務となっています。

また夜勤の場合、労働基準法で定められた一日当たりの勤務時間(8時間)を超えるケースが多いです。その場合8時間を超えた勤務に対し、基本時給の25%(1.25倍)以上の割増賃金の支払いを行うことが義務となっています。

さらに、深夜勤務手当と時間外手当がどちらも当てはまる時間帯は合算して50%(1.5倍)

の割増賃金が発生するため、例えば時給1,000円の場合でも1回の勤務で3,000円ほどの収入アップが見込めるというわけです。

別途手当てが発生することも

施設によっては法で定められた割増賃金にプラスして、独自の夜勤手当を採用しているケースもあります。施設によって金額はさまざまですが、深夜手当や時間外手当と合算して5,000円程度支給されることが多いようです。また介護福祉士などの資格を保有していると、時給がさらにアップすることもあります。

いずれも求人情報に掲載されていることが多いため、仕事選びの際はその点にも注目しておきましょう。

日中は自由に動ける

夜勤の場合、朝に仕事が終わるため日中は自由に動くことが可能です。

例えば銀行の窓口や子どもの学校行事など、日中にしか動けない用事でも仕事の調整をせずに対応できます。またWワークや通学も可能となるため、日中は別の業界や勉強をして、夜は介護の仕事といったこともできます。

勤務日数が少ない

夜勤の場合一般的な8時間勤務のほか、最大16時間(休憩時間を含む)のロング勤務もあります。この場合、1回の勤務で2日間勤務したとカウントされるため、1ヶ月あたりの総勤務日数が10日前後となるのです。

夜勤のあと2日休むといったサイクルが可能となり、自由時間が増えることも夜勤専従で働く大きなメリットといえます。

業務内容が少ない

夜勤の場合、日勤と比べ業務内容が少なくなっています。なぜなら、勤務時間の多くが利用者の就寝時間と重なるため、食事補助や生活支援が常時必要なわけではないからです。特に施設勤務の場合は日勤に人数を多く配置するため、人手が必要な仕事は夜勤スタッフと交代する前に行われることがほとんどとなっています。また訪問介護の定期巡回型では、緊急事態がなければトイレやおむつ交換、寝がえりの補助など、業務内容はぐっと絞られるのです。

どちらの場合でも、日勤兼務の場合は日勤の仕事もしっかり覚える必要がありますが、夜勤専従として働くなら夜間に不要な仕事は覚える必要がなく、仕事に慣れやすいというのも大きなポイントといえます。

生活リズムを整えやすい

日勤と兼務で働く場合、日中働く日と夜働く日が混ざるため自分の時間が取りにくかったり、生活リズムが崩れやすかったりします。しかし、夜勤専従であれば出勤日と休暇日が交互に訪れるため、自分で生活リズムを整えやすくなるのです。

もちろん仕事以外の予定も立てやすくなります。

夜勤専従で働くデメリットも知っておこう

たくさんのメリットがある夜勤専従という働き方ですが、もちろんデメリットも存在します。
メリット、デメリットどちらも知ったうえで、専従という働き方を選択しましょう。

周囲の人と生活リズムがずれる

夜勤専従の場合、日中に自由時間を確保できるメリットがあります。

その一方で夜は早ければ16時ごろから業務開始となるため、日勤の人たちとは生活リズムがずれることになるのです。日勤の人たちとリズムがずれるため、休日が合わず不便に感じることもあります。

夜勤可能な職場は限定されている

特別養護老人ホームなどの施設では、利用者の居住施設となるため24時間介護が必要です。

一方の訪問介護事業所では個人宅を訪れるため特定の場所での常勤の必要がなく、サービス提供時間は最大で22時ごろまでという事業所がほとんどとなっています。

そのため、訪問介護で夜勤専従を希望するなら、夜間対応型や定期巡回・随時対応型といった特定の事業所を選ぶ必要があることを念頭に置きましょう。

緊急対応が必要なことも

サービス利用者が夜間に急変した場合、日中とは違った緊急対応が必要となります。

夜間対応を必要とする利用者は介護度が高いことが多いため、緊急対応が必要となることは少なくありません。緊急時に落ち着いて臨機応変に動ける対応力が求められることになります。

勤務人数が少ない

日勤に比べ勤務人数が少ないため、1人あたりの負担が大きくなることもあります。

特に施設勤務の場合、日勤は利用者3人に対し職員1以上の最低配置と定められていますが、夜勤になると最低配置人数の基準が緩やかになります。そのため、種類や規模にもよりますが、施設内に介護職員が1人というケースも少なくありません。

人数が大幅に減ることになり、急変などのイレギュラーが発生した時の負担が大きくなります。さらに深夜勤務は日中に比べどうしても集中力が低下しやすいため、より一層の注意が必要です。

夜勤専従に向いているのはこんな人

やる気がある女性介護士

夜勤専従に向いているのはこんな人

メリットもデメリットもある夜勤専従という働き方ですが、この仕事に向いている人はどんな人でしょうか。いくつかピックアップしていきます。

心身共に健康である

最も重要なのが心身共に健康であることです。

夜勤は深夜に働くため、日中しっかりと睡眠時間を確保していても疲れやすくなります。そのうえ人手が少ないため、力仕事が発生した時の負担は日勤よりも大きくなるものです。

昼夜逆転に付いていけるだけの体力や健康さが非常に重要となってきます。

精神面の安定も大切なポイントです。

1人で動く時間も多いため、孤独感を感じてしまいやすかったり、パニックになりやすかったりする人にはあまり向いていません。反対に1人で黙々と働くほうが集中できるという人には、夜勤専従という働き方はおすすめです。

物事に対し落ち着いて対応できる

基本的に就寝中の時間が多いため、急変がなければ比較的穏やかな勤務となります。

しかし何か急変が起きた場合、勤務している職員が少ない、もしくは自分以外にいなかったり、責任者が不在の環境で対処しなければいけなかったりと、日勤と比較すると身体的・精神的により負担がかかる環境です。また病院が開いていない時間であること、利用者の家族が就寝中で連絡が取れないなど、イレギュラーな対応も当たり前に求められます。

利用者の多くは高齢者で、急変時には素早く対応しないとその後の健康状態に大きく関わってきてしまいます。今しなければいけないことを優先順位順に組み立てて、パニックにならず落ち着いて対応する冷静さや能力が必要不可欠です。

経験豊富である

まず大前提として、介護は未経験でもチャレンジできる仕事です。

誰もが始めは初心者であり、経験を積んで成長していきます。

しかし夜勤の場合、どうしても自分1人の時間が多くなるため、これまでの経験の差が落ち着きに現れることも少なくありません。

経験豊富である場合、過去の体験から今すべきことは何なのか、優先順位はどうなのかを判断することができます。一度離職して復帰を考えているなど、すでに介護の経験がある人は夜勤専従という働き方が特に向いているのではないでしょうか。

介護に関する資格を取りたい

介護施設で夜勤専従という働き方を選択する場合、仕事内容によっては介護の資格が必須ではありません。

施設によって条件は変わりますが、無資格でも働けるのが介護職の良いところでもあります。

ただし利用者の自宅を訪問してサービス提供を行う訪問介護においては、介護資格や所定の法定研修が必須要件です。

資格を取得する方法としては、介護関連の資格は専門の学校に通って学び、習得する方法が広く知られています。それに加え、大学や専門学校へ通わずに実務経験を積むことで資格試験受験のための要件を一部満たすことができるケースもあるのです。例えば介護福祉士の資格は、受験資格として一定の実務経験が必要となります。もちろん実務経験を積めばいいわけではなく、それと並行して必要な資格(介護福祉士実務者研修、または介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修)を取得する必要はありますが、介護系大学や専門学校を卒業していなくても介護福祉士の資格を取得する道はあります。

実務経験を基にした資格取得には時間がかかりますが、将来的に資格を取り、自分のスキルや給与アップにつなげたい!という意欲がある人は、夜勤専従という働き方も向いている人です。

ちなみに、介護保険外の訪問介護サービスを提供するクラウドケアでは、介護資格を持っていなくても、実務経験があれば夜勤のお仕事に就くことが可能です。

 

 

収入を増やしたい

純粋に収入が必要な人にとっても、夜勤専従という働き方はおすすめできます。

人間が生活していくうえでお金は必要不可欠なものです。理由があって収入を増やしたいという人は、仕事に対する向き合い方がまじめでしっかりと取り組むことができます。一見すると不純な動機に感じる人もいるかもしれませんが、給与額というのは仕事をするうえで重要な選択肢です。

夜勤は日中があくためWワークできるのも収入を増やすためのメリットとなります。こういった理由から、もっと稼ぎたい!という思いが強い人も、夜勤専従で働くのに向いている人です。

夜勤専従は求人が豊富!興味があればぜひチェックしてみよう

2024年時点で人口の29.1%が高齢者となった日本。
超高齢化社会を迎えている現在、介護付き入居施設はもちろん、訪問介護の需要も年々増加の一方をたどっています。毎年施設の数が増えるなかで、働き世代の人口は減っていくため、求人は増え続けているのが現状です。

特に夜勤専従という働き方は大変なイメージが強く、常に求人であふれています。確かに大変な仕事ではありますが、日中の自由さや休日の多さは夜勤ならではのメリットです。

ライフスタイルを見つめなおすなかで、働き方のひとつとして夜間専従を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?