こんにちは、けあむすび編集部です。
今回は、初めて保険外の自費訪問リハビリを利用された大淵さんの体験の様子をレポートします。
リハビリスタッフは、理学療法士の中村さん。中村さんは病院勤務の経験が豊富で、急性期から維持期の患者様まで幅広く担当してきました。
整形疾患や脳血管障害を中心に携わり、現在は外来で「その場で結果を出せる」リハビリを追求している方です。

【保険外の自費訪問リハビリサービス インタビュー#2】
まずはヒアリングから
訪問が始まると、最初にお身体の状況についてヒアリングを行いました。
中村さん「脳幹梗塞の後遺症で左半身に麻痺があると伺いました。今も状況は同じですか?」
大淵さん「そうですね。左半身に麻痺があり、とくに腕は動かすことが難しいです。移動は杖や電動車椅子を使っています。」
中村さん「わかりました。それではお身体を触りながら状態を確認していきましょう。同時に必要なストレッチも行いますね。」

左半身を中心に状態をチェック
最初に、肩甲骨や腕・指の感覚、可動域や痛みの有無を確認。
続いて左足の状態を確認し、伸ばせるかどうか、張りの有無、感覚や痛み、しびれの有無などを丁寧にチェックしていきます。
中村さん「大淵さんは筋力がしっかりありますね。ただ柔軟性の低下が動かしづらさにつながっている可能性があります。左足についてはむくみを取り、くるぶしまわりの脂肪組織の硬さをほぐすマッサージや運動をしてみましょう。」
実際にくるぶしまわりのマッサージや、立って左足に力を入れて踏ん張るリハビリを実施しました。
中村さん「前より動かしやすく感じますか?」
大淵さん「はい、前より力を入れやすくなった気がします。」
中村さん「今は筋肉が頑張ってくれていますが、このままでは関節に負担がかかってしまいます。柔軟性を維持するためのストレッチをご自宅でも続けてみてくださいね。」
その場でできるセルフストレッチの方法もいくつか紹介されました。

歩行の確認
次に、杖を使って歩いていただき、その様子を確認しました。
中村さん「歩くときに少し前傾姿勢になっていますが、普段からそうですか?」
大淵さん「そうですね。左足の膝をまっすぐ伸ばすと“カクッ”となることが過去にあって、それが怖いので少し曲げ気味で歩いています。」
中村さん「ありがとうございます。前傾姿勢のまま歩くと、バランスを取るために骨盤は後ろに残り、股関節は曲がる姿勢となります。股関節を伸ばせれば体幹やお尻の筋肉も使うため、重心移動もスムーズにしやすいと思いますよ」
股関節を意識して歩くイメージを持てるよう、姿勢を起こし骨盤や股関節の力を使う運動を取り入れながら、マッサージやリハビリを進めていきました。

中村さんからのコメント
中村さん「今回、このような運動を選んだ理由は、筋力は十分にあるものの柔軟性やバランスに課題が見られたためです。動かしやすさを取り戻すには筋肉だけでなく関節の可動域を保つことが大切です。そのため、ご自宅でのセルフケアも並行して行っていただければと思います。」
サービス終了後の大淵さんの感想
リハビリ終了後には、将来の希望や趣味のお話も伺いました。
大淵さん「公的介護の訪問リハビリもやっていましたが、今回の体験でいろいろな方法があると知りました。公的介護のリハビリや病院でも『いま頑張れば機能はよくなる』と言われますが、なかなか続けられず。こういった機会があると、もう一度自分でリハビリを行う良いきっかけになりますね。」
リハビリを通して、前向きな気持ちが芽生えたご様子でした。
編集部あとがき
今回の訪問で印象的だったのは、中村さんが大淵さんのお身体の状態を丁寧に確認しながら、「続けていけば左腕も動かせるかもしれない」と目を輝かせていた姿です。
専門性と情熱を持つリハビリスタッフだからこそ、大淵さんの可能性を引き出せるのだと感じました。
保険外リハビリだからこそ、時間や内容の制限なく柔軟に対応でき、機能回復に向けたサポートができる。今回の体験を通じ、その大きなメリットを改めて実感しました。
(聞き手:けあむすび編集部 高橋)
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