いつかくる介護。
ある日突然、介護が必要になることもあるかも知れません。
介護について考えだすと、不安になることもあるかも知れません。
前回の連載では、介護保険制度と介護保険サービスについてお話ししました。
>>前回の連載はコチラ▼
今回は、介護保険サービスと併用することで、
より便利になる「介護保険外サービス」について、解説をしていきます。
実は、この介護専門メディア「けあむすび」をはじめたのも、「介護保険外サービス」について、もっともっと知ってもらいたい、と感じたことがきっかけです。
介護保険制度を利用するだけでなく、介護保険外サービスと組み合わせることで、
かゆいところに手が届く、よりよい生活ができる、そんな事例も交えながら、ご説明をしていきます!
地域包括ケアシステムとは
介護保険外サービスのお話の前に、国が進めている「地域包括ケアシステム」についてお話しします。
地域包括ケアシステムとは、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを、人生の最期まで続けることができるよう、
住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組みのことです。
保険者である市区町村が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要とされています。
出典:厚生労働省「未来投資会議 構造改革徹底推進会合 「健康・医療・介護」会合第3回」(地域包括ケアシステムの構築について)、平成29年12月14日
地域包括ケアシステムの姿、「植木鉢モデル」とは
地域包括ケアシステムが目指す理想のかたちは、「植木鉢モデル」と言われています。
本人・家族の選択と心構えを土台、
生活の基盤となる 住まい・住まい方を植木鉢、
介護予防・生活支援を土、
専門職による 医療・看護、
介護・リハビリ、保健・福祉サービスを植物の葉、
と捉えます。
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「<地域包括ケア研究会>地域包括ケアシステムと地域マネジメント」(地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業)、平成27年度厚生労働省老人保健健康増進等事業、2016年
植木鉢や土などの土台がしっかりしていなければ、葉は育ちません。
つまり、ひとりひとりによって、皿も鉢も葉も、形や大小などが異なるということになります。
その地域包括ケアシステムを支える中核機関として位置づけられるのが、
地域包括支援センターなのです。
地域包括支援センターについて、詳しくはコチラ▼
地域包括ケアシステムは、障がい者や子どもを含む、全世代・全対象者対応型に進化と深化を続けています。
4つの「助」が大事
地域包括ケアシステムの推進においては、4つの「助」が大切です。
地域包括ケアシステムは、介護が必要な方の生活を地域の資源でしっかり支えていこうという考えがベースとなっており、内容は、自助・互助・共助・公助に分けられています。
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「<地域包括ケア研究会>地域包括ケアシステムと地域マネジメント」(地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業)、平成25年3月
自助とは
- 自分の事を自分でする
- 自らの健康管理(セルフケア)
- 市場サービスの購入
互助とは
- ボランティア活動
- 住民組織の活動
共助とは
- 介護保険に代表される社会保険制度
- 及びサービス
公助とは
- 一般財源による高齢者福祉事業等
- 生活保護
そして、それぞれの「助」を組み合わせたものが以下です。
自助×互助
- 当事者団体による取り組み
- 有償ボランティア
互助×公助
- ボランティア・住民組織の活動への公的支援
上記を、一覧にしたものが、以下の画像となります。
それぞれが独立して存在しているのではなく、
組み合わせて活用をしていく、ということがポイントです。
今回の記事のテーマである、介護保険外サービスは、「自助」や「互助」にあたります。
次回は、「自助」や「互助」について、フォーカスをあてて解説をしていきます!
【関連記事】介護保険の基礎を知りたい方はコチラ▼